トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 2021年11・12月号 企業・地域の取組紹介

地域の魅力・強みを活かしたSDGsの推進について
兵庫県姫路市の取組
担当課室:資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

最終更新日:令和3年11月1日

2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。 近年、SDGsは社会全体で広く知られるようになり、地域においてSDGsの視点を取り入れ、かつ地域の魅力・強みを活かした事業への関心が高まっています。
 2025年の大阪・関西万博は「SDGs万博」でもあります。関西では、2017年12月に関西SDGsプラットフォームが立ち上がるなど、SDGsの達成に向けて様々なステークホルダーにより取組が進められています。
 環境・リサイクル課では2021年7・8月号から、環境及びリサイクル分野においてSDGsの視点を加味し、かつ地域の魅力・強みを活かした自治体等の取組を紹介しています。
 第3回目の今回は「世界をつなぐSDGs推進都市ひめじの夢」をスローガンに、様々な社会的課題にも積極的に取り組んでいる兵庫県姫路市を紹介します。

INTERVIEW

近藤善彦さん井上正也さん小寺拓さん

左:姫路市政策局地方創生室 SDGs推進室長 近藤善彦さん
中:姫路市環境局美化部リサイクル課 もったいない本部長 井上正也さん
右:姫路市環境局環境政策室 課長補佐 小寺拓さん

貴市におかれては、これまでもSDGsに基づく各種施策を展開され、本年5月、内閣府より「SDGs未来都市」に選定された(兵庫県内では2番目、播磨圏域では初)とのことですが、その経緯を教えてください。

姫路市の課題の1つとして、「姫路市の多くの若者が、高校卒業後、姫路市を離れてしまう」ことがあげられます。そのため、「姫路地域で活躍しつつ、海外と姫路市をつなぐ架け橋」となってもらうことを目標として、 姫路市内の高校生等をターゲットとしたSDGsに基づく国際人材育成・定住促進事業を開始しました。
 2019年4月に清元秀泰(きよもとひでやす)市長が就任して以来、若者はもちろんのこと、市民の皆様一人一人に、脱炭素型ライフスタイルのSDGsマインドを持って頂くべく、様々な取組を行っているところです。
 姫路の若者たちがまちの課題解決策や将来像について気軽に話し合うタウンミーティング「ひめじ創生SDGsカフェ」の開催に加え、学生のSDGsに向けた優れた取組を市が表彰する制度「ひめじ創生SDGsアワード」も創設しました。
 また、ポーランドの世界遺産「クラクフ歴史地区」にあるバベル城(970年建造)と世界遺産・国宝姫路城において、「姉妹城提携」に向けた協議を現在進めており、人と人との交流によるグローカル人材の育成につなげていくことを目指しています。
 さらに、本年2月には2050年までに二酸化炭素の実質排出ゼロを目指した「ゼロカーボンシティ宣言」を行いました。
 このような取組等が評価され、SDGs未来都市に選定いただいたと考えています。

では、環境・リサイクル分野において、具体的にはどのような取組をされていますか。

市民の皆さんのご理解・ご協力もあり、様々な取組を行っていますが、現在、全国的に注目を頂いています「姫路発ペットボトル資源循環型リサイクル(ボトルtoボトルリサイクル)事業を紹介します。
 域内(姫路市及び周辺自治体)におけるペットボトル資源循環型リサイクル(ボトルtoボトルリサイクル)の事業は、全国初の取り組みです。
 ボトルtoボトルリサイクルは、他地域でも行われていますが、長距離トラック輸送による二酸化炭素排出などにより、環境負荷にもなり得るという問題がありました。
 そこで、姫路市に本社があるキンキサイン株式会社、大手飲料メーカーである株式会社伊藤園、高いリサイクル技術を誇る遠東石塚グリーンペット株式会社と検討・協議を重ね、域内で資源を循環させるモデルの確立に成功しました(下記イメージ図を参照)。

ボトルtoボトルリサイクル事業

この事業の特徴として、新たな石油由来資源の使用量の削減に繋がると同時に、何度でもペットボトルにリサイクルできる、持続可能なリサイクルができるため、廃棄物の減量及び国内での資源循環が図れます。
 また、域内でのリサイクルを実施することで、長距離輸送に伴う手間や費用、二酸化炭素排出量を抑えることが可能となり、バージンペットボトルと比較して約6割の二酸化炭素排出量の削減が期待されるため、ゼロカーボンシティを宣言している本市として、大きな意義を持つ取組であり、全国的にも注目を頂いています。
 2022年度より本格的にスタートしていきますが、今後は、播磨圏域連携中枢都市圏の自治体にも参加を呼び掛け、さらなるリサイクルの促進を図る予定です。

ボトルtoボトルリサイクル事業

ペットボトル資源循環型リサイクル実現に関する事業連携協定式(2021年8月23日)

全国初の域内におけるペットボトル資源循環型リサイクル(ボトルtoボトルリサイクル)実施に関する事業連携協定について(姫路市ホームページ)

まさしく、消費者・企業・自治体、三方よしの取組かと思います。また、再生可能エネルギーや次世代エネルギーである水素エネルギーの普及拡大にも熱心に取り組んでおられると聞きましたが、いかがでしょうか?

姫路市では再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、2009 年度から 2019 年度まで、一般家庭向けに太陽光発電システムの設置助成を延べ 6,409 件実施しました。助成対象としたシステムの出力合計は 28,718kWとなっています。
 さらに、2020 年度からは、これらの住宅用太陽光発電設置家庭の固定価格買取制度期間の終了を見据え、家庭における平時の温室効果ガス排出の削減と災害時など非常時の電源機能の確保を目的に、家庭用蓄電システムの設置助成を開始しました。 事業実施初年度(2021年度)の実績は225 件となり、市民の皆さんの関心の高さを伺うことが出来ました。
 また、姫路市では、次世代エネルギーとして注目される水素エネルギーの普及拡大に取り組んでおり、今年4月に県内3か所目となる水素ステーションが市内で操業を開始しました。 それと同時に、姫路市に本社がある神姫バス株式会社が、国・兵庫県・本市の補助制度を活用して、西日本初となる水素で走る燃料電池バスを導入し、路線バスとして市内運行を開始しています。併せて、本市も公用車に水素で走る燃料電池自動車を導入しています。
 今後も脱炭素化に向けた各種取組を推し進め、ゼロカーボンシティの実現を目指します。

姫路市水素ステーションと姫路市公用車(燃料電池自動車)

姫路市水素ステーションと姫路市公用車(燃料電池自動車)

神姫バス(株) の燃料電池バス(提供 姫路市)

神姫バス(株) の燃料電池バス(提供 姫路市)

市民の皆さんにとっても、非常に有益な取組だと思います。その他、特色ある取組があれば教えてください。

姫路市では2019年2月に「姫路市“食品ロス”もったいない運動推進店」登録制度を創設し、食品ロス削減に取り組む食品関連事業者を「姫路市“食品ロス”もったいない運動推進店」として登録することで、事業系食品ロスの削減を推進するとともに、 登録制度の普及を通じて市民の食品ロス削減への意識啓発を図ってきました。
 そしてこの度、2021年3月1日より、食品関連事業者から発生する食品ロスの更なる削減を図るべく、全国の自治体でも初の政策となる「姫路市“食品ロス”削減マッチングサービス(Utteco Katteco by タベスケ)」の運用を開始しました。

姫路市“食品ロス”削減マッチングサービス(Utteco Katteco by タベスケ)

このマッチングサービスの仕組みは、廃棄になる可能性がある食品(市内の食品関連事業者における消費期限・賞味期限の迫る食品や生産・流通における規格外品など)を通常よりも安価に販売します。 これらの食品をウェブサイト及び姫路市公式アプリ「ひめじプラス」で情報発信します。 消費者(市民)は、スマートフォンやパソコンから希望商品の注文ができるというものです。これにより、事業系食品ロスの大幅な削減を目指しています。既に、2021年10月12日現在において、約4tの食品ロス削減の成果をあげています。  事業者(協力店舗)からは、


  • 〇食品廃棄処理経費を削減することができた。
  • 〇さらなる収益を確保することができた。
  • 〇店舗のイメージアップにつながった。

といった、感想を頂いています。
 市民の皆さん(消費者)からは、


  • 〇食品を安く購入することができた。
  • 〇新たにお気に入りのお店を発見することができた。
  • 〇気軽に社会貢献をすることができた。

といった、感想を頂いています。
 そして姫路市は、事業系廃棄物の削減に成功でき、三方よしの事業となっています。
 また、2019年度より、NPO法人フードバンクはりまと連携し、食品ロス削減の取り組みのひとつであるフードドライブを開催し、生活困窮者支援といった社会的課題にも取り組んでいます。

ペットボトルのボトルtoボトルリサイクルや食品ロス削減といった社会的課題について、姫路市が先進地域として、県や国とも連携しながら「姫路モデル」を確立し、全国にソリューションを発信していくことを市長はじめ、 市職員が一丸となって取り組んでいます。引き続き、関係各位のご協力をいただければ幸いです。

姫路市食品ロス削減マッチングサービス「Utteco Katteco by タベスケ」(姫路市ホームページ)

姫路市食品ロス削減マッチングサービス「Utteco Katteco by タベスケ」(姫路市ホームページ)

力強いメッセージありがとうございます。最後に姫路市のPRをお願いします。

姫路市のゼロカーボンシティ宣言について、広く周知する内容の動画を公開しています。清元市長や市職員が出演し、白熱の演技!?により、楽しく分かりやすい内容となっておりますので、是非、ご覧ください。

姫路市動画チャンネル

姫路市動画チャンネル


本年9月に、大規模な国際会議も開催可能な、姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」が開館しました。世界遺産でもある姫路城などの観光資源も活用し、インバウンドにもつながる「国際コンベンション都市ひめじ」を世界にPRしていきたいと考えています。

アクリエひめじ

アクリエひめじ

また、地域団体商標にも登録された「姫路おでん」や姫路市内の喫茶店で名物となっている「アーモンドトースト」等、安くて美味しいソウルフードも多くあります。是非「SDGs未来都市」でもある姫路市にお越しいただき、数多くの魅力を味わってください。

編集後記

地域の強み(市民、企業、行政の良さを活かした三位一体連携)を活かして、様々な社会的課題にもチャレンジされている姿勢に、感銘を受けました。是非、これからも三位一体のパワーを持って、姫路モデルの確立に取り組んで頂ければと思います。
 取材終了後、早速、市内のお店で「姫路おでん」を頂きました。甘く濃く煮込まれたダシの効いたおでんに、生姜醤油とのハーモニー……。最高でした!
 今度はプライベートでお邪魔させていただきます。お忙しいところ取材に応じていただき、ありがとうございました。

姫路おでん

姫路おでん

姫路おでん公式サイト

掲載関連情報

兵庫県姫路市(姫路市役所環境局美化部リサイクル課)

所在地
兵庫県姫路市安田四丁目1番地
E-mail
recycle@city.himeji.lg.jp
姫路市地図
姫路市イメージキャラクター しろまるひめ

姫路市イメージキャラクター しろまるひめ

関連施策へのリンク

近畿経済産業局通商部 国際課 ホームページ(関西SDGs貢献チャレンジ)

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

電話:06-6966-6018

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