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関西経済の現状と今後の見通し
~2022年、新春を迎えて~
担当課室:企画調査課

最終更新日:令和4年1月4日

関西経済の概況

関西地域(近畿経済産業局管内/福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)の全国におけるシェアをみると、総面積は8.3%(2021年7月1日現在)ですが、 輸出通関額(2020年)が22.5%、百貨店・スーパー販売額(2020年)が17.7%、製造業事業所数(2020年6月1日現在)が19.4%、製造品出荷額(2019年)が16.7%、 総人口(2020年10月1日現在)が16.9%、域内総生産(2018年度)が15.8%となっており、関西地域の経済規模は全国に対して2割弱を占めていると言えます(図1)。
 また、主要国の名目GDP(図2)をみると、関西はオランダ(世界17位)に次ぐ経済規模となっています。

図1 全国における関西地域のシェア

図1 全国における関西地域のシェア

出所:全国都道府県市町村別面積調(国土地理院)、国勢調査(総務省)、人口推計(総務省)、県民経済計算(内閣府)、 工業統計調査(経済産業省)、
商業動態統計調査(経済産業省)、(一社)全国軽自動車協会連合会、(一社)日本自動車販売協会連合会、 公共工事前払金保証統計(北海道建設業信用保証(株)、
東日本建設業保証(株)、西日本建設業保証(株))、貿易統計(財務省、大阪税関) ※貿易統計における関西地域は、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の2府4県

図2 主要国の名目GDP

図2 主要国の名目GDP

出所:総務省「世界の統計」、内閣府「県民経済計算」
注)関西は2018年度、他は2018年の暦年計数。為替レートは世界の統計より(110.423円/ドル)

関西地域の域内総生産の産業別構成比(図3)をみると、農林水産業は0.4%、製造業は22.6%、卸売・小売業や不動産業等を含む第3次産業は約4分の3のウェイトを占めます。

図3 関西地域内総生産(名目)の産業別構成比(%)

図3 関西地域内総生産(名目)の産業別構成比(%)

出所:内閣府「平成30年度県民経済計算」

製造業の出荷額構成比(図4)をみると、全国と比較して、化学、鉄鋼、生産用機械、電気機械などのウェイトが高く、輸送用機械などのウェイトが低くなっています。 また推移(図5)をみると、製造品出荷額は1985年以降概ね横ばいで推移しています。全国におけるシェアは、2005年まで低下した後に下げ止まり、直近5か年は緩やかながら上昇しています。

図4 関西と全国の製造品出荷額構成比

図4 関西と全国の製造品出荷額構成比

出所:経済産業省「工業統計調査」2020年

図5 関西の製造品出荷額の推移(従業者4人以上の事業所)

図5 関西の製造品出荷額の推移(従業者4人以上の事業所)

出所:経済産業省「工業統計調査」、総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」

足下の関西経済の動向と今後の見通し

我が国経済は、2021年7-9月期のGDP成長率(2次速報)が物価変動の影響を除いた実質で2四半期ぶりのマイナスとなりました。 また、景気動向指数の一致指数は10月時点で4か月ぶりに上昇しており、基調判断は2か月連続で「足踏みを示している」としています。

当局では、毎月公表の「近畿経済の動向」の中で関西の景況判断をしています。 1年間を振り返りますと、新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」)の影響により、依然として厳しい状況でしたが、前半は、輸出や設備投資の増加等を背景に、生産は回復を続けるなど、 一部に持ち直しの動きがみられました。個人消費においては、繰り返される緊急事態宣言のもとで弱い動きとなっていましたが、宣言が解除された10月以降は、持ち直しの動きがみられます。 しかしながら、生産が、供給制約の長期化等により、足下では弱含みで推移していることから、基調判断は「足踏み状態となっている」としています。

生産は、旺盛な設備投資と海外の景気回復を背景に、前半は、生産用機械工業や電気・情報通信機械工業を中心に回復を続けました。 しかし、8月以降、半導体不足や東南アジアにおける新型コロナ感染拡大に伴う部品調達難などにより、輸送機械工業を中心に低下し、足下では弱含みで推移しています(図6)。

図6 鉱工業指数

図6 鉱工業指数

出所:近畿経済産業局「近畿地域鉱工業生産動向」、経済産業省「鉱工業指数」

個人消費のうち、百貨店・スーパー販売額(図7)をみると、4月は前年のマイナスの反動で大幅に前年比プラスとなったものの、 新型コロナの感染拡大や外出自粛の影響などにより低調に推移しました。10月以降は、緊急事態宣言の解除や気温低下の影響などにより、 持ち直しの動きがみられました。乗用車新規登録・届出台数(図8)は、4月から5月にかけて、新型コロナの影響で落ち込んだ前年の反動で大幅に増加しましたが、 9月以降、半導体不足や東南アジアにおける新型コロナ感染拡大に伴う部品調達難による自動車減産の影響で減少幅が大きくなっています。 家電販売額(図9)は、6月以降は前年の巣ごもり需要の反動を受けたものの、堅調に推移しました。総じてみれば、個人消費は、一部に弱さがあるものの、 持ち直しの動きがみられますが、今後の動向を注視する必要があります。

図7 百貨店・スーパー販売状況

図7 百貨店・スーパー販売状況

出所:近畿経済産業局「百貨店・スーパー販売状況」

図8 乗用車新規登録・届出台数

図8 乗用車新規登録・届出台数

出所:(一社)日本自動車販売協会連合会、(一社)全国軽自動車協会連合会

図9 家電販売額

図9 家電販売額

出所:経済産業省「商業動態調査」

関西国際空港の国際線を利用する外国人旅客数(図10)をみると、新型コロナの影響による大幅な減少は、いまだ回復の兆しが見えない状況です。 関西の百貨店免税売上(図11)は前年比では回復を続けているものの、新型コロナ前の前々年比でみると約8~9割減の状況が続いています。

図10 関西国際空港の国際線を利用する外国人旅客数の推移

図10 関西国際空港の国際線を利用する外国人旅客数の推移

出所:関西エアポート(株)報道発表資料

図11 百貨店免税売上(関西地域)

図11 百貨店免税売上(関西地域)

出所:日本銀行大阪支店

貿易(輸出)額(図12)は、海外の景気回復を背景に好調に推移していましたが、後半、供給制約による自動車減産や中国の景気減速などにより、伸びが鈍化しました。 全国に比べて緩やかな鈍化となっているのは、関西は自動車を含む輸送用機械の比率が低いことが一因と考えられます。 国・地域別では中国やアジアNIEs向け、品目別では半導体等電子部品、半導体等製造装置、建設用・鉱山用機械が輸出を牽引しています。

図12 輸出

図12 輸出

出所:大阪税関、財務省「貿易統計」

雇用情勢は、完全失業率(図13)が3%前後の水準で推移しており、有効求人倍率(図14)は1倍台を維持しているものの低水準で推移するなど、弱い動きが続いています。

図13 完全失業率

図13 完全失業率

出所:総務省「労働力調査」

図14 有効求人倍率

図14 有効求人倍率

出所:厚生労働省「一般職業紹介状況」

これから関西経済が持続的に回復していくためには、引き続き積極的な設備投資、労働生産性の向上、所得改善による消費の拡大が不可欠です。 また、インバウンド需要の回復が見込めない中、財の輸出により外需を一層取り込み、関西経済の成長へつなげていくことが期待されているところです。
 一方で、新型コロナの感染再拡大や資源高に伴う世界経済のリスクの高まりが懸念されます。2020年の貿易統計で海外との結びつきをみると、 関西は全国と比較して、中国向けのシェアが高いという特徴があります。関西は中国をはじめアジア地域との結びつきが強いため、今後も中国・アジア経済の動向について注視が必要です(図15、16)。

図15 関西の輸出額の国・地域別構成比(2020年)

図15 関西の輸出額の国・地域別構成比(2020年)

出所:大阪税関「近畿圏貿易概況」

図16 全国の輸出額の国・地域別構成比(2020年)

図16 全国の輸出額の国・地域別構成比(2020年)

出所:財務省「貿易統計」

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近畿経済産業局 総務企画部 企画調査課

電話:06-6966-6004

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