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サーキュラーエコノミー(循環経済)への転換に向けて(第1回)
近畿地域のサーキュラーエコノミービジネスネットワーク構築事業 実証企業の紹介
担当課室:環境・リサイクル課

最終更新日:令和4年1月4日

近畿地域のサーキュラーエコノミー(CE)ビジネスネットワーク構築事業

我が国では、2000年代初頭より、世界に先駆けて3R(Reduce, Reuse, Recycle)に取り組み、廃棄物の最終処分量の削減やリサイクル率の向上等の着実な成果を上げてきました。 一方で、世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー、廃棄物、気候変動等の様々な問題が深刻化しており、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済から循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が世界的に求められています。
 循環経済とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値の最大化を図る経済活動のことです。
 そこで、近畿経済産業局では、今年度、特定非営利活動法人資源リサイクルシステムセンター等と連携して、廃棄物や再生可能な資源を活用したCE製品の開発・活用を促すネットワークを構築する事業を実施しています。
 CE製品の普及に向けた活発な資源循環がなされるモデルケースを創出するため、リサイクル企業等の実証事業を支援するとともに、展示会出展や普及セミナーでモデルケースの横展開を図ります。 また、活発なCE製品の資源循環を目指した研究会を設置し、新たなビジネスモデルの検討等を行っています。
 本号では、実証事業に取り組む、(株)ペーパルと浜田化学(株)の2社を紹介します。

株式会社ペーパル(廃食品を紙素材へと転換するアップサイクル事業)

kome-kamiを用いた試作品
kome-kamiを用いた試作品

奈良県にある紙卸問屋の(株)ペーパルは、廃棄された食品を紙素材にアップサイクルするフードロスペーパーを開発、普及させることで廃棄素材の有効活用を進めようとしています。
 農林水産省及び環境省が実施している、日本国内の食品ロス推計量によると、平成24年度は642万トン、平成27年度が646万トンと最も高く、その後減少に転じて令和元年度は570万トンとなっています。 それでもなお、毎日1人茶碗1杯程度のご飯を捨てていることに相当する廃棄量であり、より一層の食品ロス削減が求められます。
 近年、自治体等で災害対策として食品の備蓄が増加していますが、 その多くは食べられることのないまま賞味期限を迎えます。 自治体等では、食品ロス削減のためにも備蓄食品を活用しようと、イベントでの配布や、フードバンクと連携した取組を実施しています。 しかし、全てを活用できるまでには至っておらず一部は廃棄処分されます。このことを知った同社の矢田取締役は、災害対策の備蓄米などで賞味期限が切れた廃棄米を引き取り、 紙に混ぜることで、廃棄ロス削減を目指した紙素材「kome-kami」を開発しました。その他にも野菜の皮などを使ったフードロスペーパーの新素材の開発も進めています。
 同社は、実証事業により、「kome-kami」で作った文房具や容器包装材等の新商品開発と、食品ロス削減を身近な問題として感じてもらうべく、 「kome-kami」の利用による環境負荷の低減度合いや脱炭素貢献量がわかるアプリの開発を進めています。
 今後は、更に様々な廃棄素材をフードロスペーパーとしてアップサイクルさせていくと共に、名刺、封筒、広報誌、文房具などへの用途開発を図り、活用できる廃棄素材の量を拡大したいと考えています。 加えて、事業活動に関連する形でフードロス削減に取り組むことで企業のブランディングにも繋げ、また、消費者にも身近なものとしての意識づけをして食品ロス削減の意識を広げたいと考えています。 また、「kome-kami」の売上の1%をフードバンクに寄付することで、食品ロス問題の解決に貢献することも目標としています。

エコプロ展2021での展示

エコプロ展2021での展示

浜田化学株式会社(「食」と「循環」で世界を救う)

薬用ハンドソープ
薬用ハンドソープ

兵庫県にある浜田化学(株)は、廃食用油を回収し、その廃食用油を用いて飼料・肥料原料やハンドソープ等を製造販売している企業です。
 同社では、植物油(使い終わった天ぷら油)などの廃食用油をコンビニエンスストア、飲食店、食品工場、学校などの様々な場所から回収しています。回収店舗数は、コンビニエンスストアで約8千店舗、外食・その他で約1.7万店舗に及びます。
 回収した廃食用油は、同社のリサイクルセンターで精製され、飼料・肥料原料、ハンドソープ、バイオディーゼル燃料、塗料やインク原料等にリサイクルされます。精製途中で除去される固形分も飼料・肥料原料(油かす)となり、再生率は99.7%を誇ります。
 飼料や肥料で家畜や野菜が育ち、ハンドソープは廃食用油を回収したコンビニエンスストアや外食店等のトイレ等で使用されることで、資源循環が形成されています。
 また、バイオディーゼル燃料は、トラックや建設機械等の燃料として、軽油の代替となり、二酸化炭素の排出削減に繋がっています。

浜田化学(株)の実現する資源循環

浜田化学(株)の実現する資源循環

アナログ的な処理が多いとされる廃棄物処理業において、同社では、より効率的な回収、処理を図るべく、様々なデジタル化を積極的に進めています。 具体的には、根幹となる産業廃棄物の収集や処分の取扱いなどに必要なデータを一元的に取り扱うためのデータベースの構築。 回収時における各種データ入力をこれまでの紙への記入からタブレット入力化。回収先で廃食用油がどれだけ貯まってきているかが分かるようにし、効率的な定期回収を実現するために、 重量センサーなどのIoTを用いた遠隔監視といった、IoT等のデジタル技術を活用した「廃棄物循環自動化システム」の開発、実証を、その一部は近畿地域のサーキュラーエコノミービジネスネットワーク構築事業を活用して行っています。

さらに、「『食』と『循環』で世界を救う」新しいモデルづくりにも取り組んでいます。
 まず、「食をつくる」をテーマに、淡路島の放置竹林を使った竹ビニルハウスと、そこで育てる付加価値の高い白いちご「淡雪」生産の収益モデル確立を目指しています。 竹ビニルハウスの電力には、洲本市内の廃食用油で作ったバイオディーゼル燃料で発電した電力を使います。肥料は、廃油や食品残渣をリサイクルした肥料です。
 「地域創生の起点をつくる」をテーマに、淡路島の廃校を、様々なリサイクルマテリアルが集まり循環、拡張していくことを作り出す場所「サイクルハブ」とすることも計画しています。
 国内に加えて海外の柱を作るべく、輸出先を増やすことにも挑戦中です。

竹ビニルハウス

竹ビニルハウス

白いちご(淡雪)

白いちご(淡雪)

掲載関連情報

企業名
株式会社ペーパル
Food Loss Paper
所在地
奈良県奈良市池田町76-7
電話番号
0742-62-6211

企業名
浜田化学株式会社
所在地
兵庫県尼崎市東海岸町1-4
電話番号
06-6411-3457

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

電話:06-6966-6018

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