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取引適正化に向けた取組について
価格交渉促進月間(2022年3月)フォローアップ調査結果の概要
担当課室:下請取引適正化推進室

最終更新日:令和4年9月1日

中小企業庁では、エネルギー価格や原材料費などが上昇する中、中小企業が適切に価格転嫁をしやすい環境を作るため、価格交渉が9月に次いで頻繁に行われている3月についても、「価格交渉促進月間」として設定し、発注側企業と受注側企業の価格交渉を促進しています。
 3月の価格交渉促進月間の取組の成果を確認するため、「フォローアップ調査(受注側中小企業への状況調査)」を実施し、その結果をとりまとめ、6月22日に公表しましたので概要をお知らせします。

1.調査実施概要

フォローアップ調査は、中小企業等に対し親事業者(最大3社分)との価格交渉や価格転嫁に関する「アンケート調査」(配布企業数:15万社、調査期間:5月11日~6月17日、回収企業数1万3,078社、回答から抽出される発注側企業数は延べ2万5,575社)の結果と、下請Gメンによる「電話ヒアリング調査」(約1,560社)の結果をとりまとめたものです。

2.調査結果の概要

直近6ヶ月間の価格交渉の協議

発注側との価格交渉の協議において、「話し合いに応じてもらえた」と回答した割合が最も多く61.4%を占めています。その一方で、「発注量の減少や取引を断られるおそれがあること等を考慮し、発注側企業に協議を申し込まなかった。」、「発注側企業に協議の申し込みを行ったが、応じてもらえなかった。」、「取引価格を減額するために、発注側企業から協議を申し込まれた。」という価格協議ができていないとする回答が約10.0%存在しています。

直近6ヶ月間の価格交渉の協議

直近6ヶ月間のコスト上昇分のうち、価格転嫁できた割合

多くの事業者においてコストが上昇する中、価格転嫁が厳しい状況にあり、価格転嫁できた割合を見ると「3割~1割程度」転嫁できたという回答が22.9%と全体の回答の中で最も多い一方、「0割」、「マイナス」という価格転嫁が全くできなかったとする回答が22.6%存在しています。
 価格転嫁できた割合をコスト要素別に見ると、「原材料費」は「10割」~「3割~1割程度」転嫁できたという回答が約6割程度占め比較的価格転嫁が進んでいる一方で「労務費」、「エネルギーコスト」は「0割」、「マイナス」という価格転嫁が全くできなかったとする回答が各々33.8%、33.1%と価格転嫁が厳しい状況にあります。

直近6ヶ月間のコスト上昇分のうち、価格転嫁できた割合
直近6ヶ月間のコスト上昇分のうち、価格転嫁できた割合
直近6ヶ月間のコスト上昇分のうち、価格転嫁できた割合
直近6ヶ月間のコスト上昇分のうち、価格転嫁できた割合

業種別のランキング(価格交渉の協議状況)

業種別の価格交渉の協議状況を見ると、「繊維」、「鉱業・採石・砂利採取」、「機械製造」などは相対的にみて価格協議ができていますが、その一方で、「廃棄物処理」、「トラック運送」、「金融・保険」などの業種では価格交渉を実施しにくい状況にあるようです。

業種別のランキング(価格交渉の協議状況)

業種別のランキング(コスト上昇分に対する価格転嫁状況)

価格転嫁の状況は、「化学」、「機械製造」、「金属」などの業種で、全般的なコスト上昇分を相対的に価格転嫁ができていますが、「廃棄物処理」、「通信」、「トラック運送」などの業種では価格転嫁が進んでいないようです。
 業種別・コスト要素別に見ると、「労務費」、「原材料費」、「エネルギーコスト」のいずれの要素も「化学」が一位と価格転嫁が進んでいます。その一方で「トラック運送」はいずれの要素においても、最も価格転嫁できていない状況となっています。

業種別のランキング(コスト上昇分に対する価格転嫁状況)
業種別のランキング(コスト上昇分に対する価格転嫁状況)
業種別のランキング(コスト上昇分に対する価格転嫁状況)

下請Gメンヒアリング(業種別の結果の事例紹介)

中小企業庁では、平成29年から全国に下請Gメン(取引調査員)を全国に配置し、現在248名体制で中小企業等の取引実態についてのヒアリングを実施しています。今回の調査では、地域特性や業種バランスに配慮して過去ヒアリングを実施した事業者等から対象先を選定し、電話調査にて多くの事業者から価格交渉状況に関する生声を収集しました。ここでは、『業種:化学』を事例として紹介します。他の業種については、後記の関連施策へのリンク『価格交渉促進月間(2022年3月)のフォローアップ調査の結果を公表します』からご覧ください。

化学 <下請Gメンヒアリング等による生声>

○:よい事例、▲:問題のある事例

材料代(石油製品)は市場価格連動制で四半期毎に見直しており、労務費等も少し織込みつつ交渉している。燃料価格の上昇を理由に3月より値上がり分の価格交渉に入り、4月分から100%認められた。
原料価格のアップに絞った価格改定の申請に対して、平均して50%~75%は認めてもらっている。取引先からは「何かあったら相談してほしい」と言われている。
継続受注品は、原材料の上昇の都度、労務費やエネルギーも含めて値上げ要請する。価格交渉に協力的で、ほぼ満額回答である。
協力会があり価格交渉がしやすく、コストが下請代金に適正に転嫁できている。
取扱製品は原油関連。昨年末から、客観的なデータを示して取引先に値上げを依頼しているが、認めてもらえたのはわずかである。
請負商品は定番品であり、コスト上昇を理由にした価格の変更交渉ができていない。原材料や現地労務費のアップに加えて、円安により収益が圧迫されるダブルパンチの状態だが、コスト上昇分は自社が全部被るしかない。
4月現在、値上げ交渉を行っているところであるが、取引している商品が外装関係であり、価格交渉の優先度が低い為、コスト等の転嫁の交渉はなかなか進まない。価格は10年以上据え置かれている。

3.最後に

中小企業庁は、これらの結果を踏まえ、価格転嫁や価格協議の実施状況が良好でない個別の発注側の個別企業に対しては、下請中小企業振興法に基づく「指導・助言」の実施を検討するとともに、業種別の自主行動計画やガイドラインの拡大に取り組んでいきます。

関連施策へのリンク

中小企業庁『価格交渉促進月間(2022年3月)のフォローアップ調査の結果を公表します』

中小企業庁『9月は「価格交渉促進月間」です』

中小企業庁『取引適正化に向けた5つの取組』

中小企業庁『適正取引支援サイト』

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 下請取引適正化推進室

電話:06-6966-6037

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