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ひとも環境も美しく
~SDGsを強みに変える、ドクターリセラの取組~
担当課室:国際課

最終更新日:令和5年3月1日

近年、健康や美容に対する意識は高まっており、消費者の意識も「本物志向」へと変わりつつあります。そのような社会を見据え、先駆けた取組を行っているのが、ドクターリセラ株式会社です。
 同社は昨年11月に開催された北おおさか信用金庫主催の「きたしんSDGsコンテスト」で近畿経済産業局長賞を受賞しました。「安全と結果を追求し、積善の人づくりを通して、美と健康と地球環境に貢献する」という理念のもとで、化粧品・美容機器・健康食品の開発をはじめとした、多様な事業を展開しています。

2023年に30周年を迎えるドクターリセラの新ビジュアル

2023年に30周年を迎えるドクターリセラの新ビジュアル

事業領域とSDGsのゴールの関係性

事業領域とSDGsのゴールの関係性

きっかけは「石油系合成界面活性剤」

同社は1993年に漢方薬局として開業し、2000年に化粧品販売をスタートさせました。当初は、海外製品をサロン経由で輸入販売していましたが、肌にとって負担になるものを排除した製品を作りたいと考えたことから、2001年より、自社製品の開発に着手しました。その後、お客様の悩みが化粧品で補える範囲を超えていると感じたことから、総合的に解決していくために、化粧品のみならず、食品・健康・環境事業へと事業を拡大していきました。
 その中で「石油系合成界面活性剤」の地球環境への影響を知ったこと。これが、奥迫社長のSDGsを意識しはじめたきっかけでした。地球にやさしいと広報されている洗剤が実は人や環境に悪影響を及ぼしている、そのような世の中が目をそむけている真実を、正しく伝えていくことが自身の使命だと捉え、理念に共感くださったエステティックサロン様やその顧客様へ伝えてきました。その中で、自然と「人にやさしいものは地球にもやさしい」と考えるようになっていきました。

SDGs達成に向けた取組

前述の通り、SDGsに意識的に取り組んだというよりは、「人にやさしいもの」を作ろうとし、「人にやさしいこと」をした結果がSDGsにつながっていた、ということです。
 美容関連事業においては、石油系合成界面活性剤をはじめ、防腐剤(パラベン)、合成香料、合成着色料、鉱物油などの肌に不要なものを使用しない製品作りを心がけています。また、地球環境に配慮した容器・パッケージを採用することで、1年間で約4トンものプラスチックの削減に貢献しました。
 健康関連事業においては、誰もが健康に暮らせる社会の実現に向け、フィットネス、デイサービス、介護事業所、こども園の運営を行っています。これらの施設の多くを奥迫社長の地元である島根県に作ることで、地域にも貢献しています。
 環境関連事業においては、養蜂を通して、農作物や生態系の保全に重要なミツバチを増やし、環境保全に貢献しています。また太陽光発電の運用、次世代冷暖房システムの取扱いにより、省エネ・CO2削減等のクリーンな社会・産業の基盤づくりや気候変動への対策を行っています。
 その他にも地域の清掃活動、社員食堂へのコンポスト設置、本社とフィットネス41店舗の会員と共に実施するリサイクル品回収による寄付活動、ペットボトルキャップ回収によるポリオワクチン寄贈、健康経営に基づいた福利厚生機器の導入等を通じて、SDGs達成に向けた取組を行っています。
 「きたしんSDGsコンテスト」では、これらのあらゆる取組が評価されたのはもちろんのこと、経営理念にSDGsの視点を取り入れている点が高く評価されました。

地球環境に配慮した付け替え仕様の容器ボトル

地球環境に配慮した付け替え仕様の容器ボトル

SDGsに取り組む上で変化したこと

「安全と結果を追求し、積善の人づくりを通して、美と健康と地球環境に貢献する」という理念は、2014年に社内チームを作り、経営幹部と現場の従業員が一緒になって考えたものです。
 当初は、利益に直結しない活動に対して社員の中でも反発があったと奥迫社長は話します。しかし清掃やボランティアなどを続けることによって徐々に取組や理念に共感する人材が入ってくるようになり、今では社内でSDGs活動クラブが立ち上がるまでになっています。また、環境に配慮した配送や梱包を社員自ら発信・提案するなどの動きもあり、同社の理念が着実に社員へと浸透しています。

社内のSDGs活動クラブの様子

社内のSDGs活動クラブの様子

今後の展望

インタビューでは、奥迫社長は今後、イネ科の植物である「マコモ」を利用した商品開発や、日本の神社・森・水源等を守る活動に着手していきたいと意気込みを語られました。
 社会に貢献したいという社員の志を尊重し、サポートすること。この会社に勤めてよかった、成長できて良かった。そう実感できる会社であり続けること。これがドクターリセラの変わらない思いであり、今後の姿と言えることでしょう。

代表取締役社長 奥迫 哲也さん

代表取締役社長 奥迫 哲也さん

掲載関連情報

企業
ドクターリセラ株式会社
所在地
大阪府大阪市東淀川区東中島1-7-17
電話番号
06-6990-4700

関連施策へのリンク

近畿経済産業局 通商部 国際課ホームページ(SDGs経営の推進)

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近畿経済産業局 近畿経済産業局 通商部 国際課ホームページ(SDGs経営の推進)

電話:06-6966-6031

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