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JAPANブランド育成支援等事業 活用事例 Vol.5

最終更新日:令和6年12月13日

 JAPANブランド育成支援等事業では、海外展開やそれを見据えた全国展開のために、新商品・サービスの開発・改良、ブランディングや、新規販路開拓等の取組を中小企業者が行う場合に、その経費の一部を補助することにより、地域中小企業の域外需要の獲得を図るとともに、地域経済の活性化及び地域中小企業の振興に寄与することを目的として実施してきました。

 本活用事例では、過去にJAPANブランド採択事業の中から取組を紹介しています。これから海外展開に取り組もうとする事業者等にご活用いただけましたら幸いです。

丹後ちりめんの歴史と開発力で、進化を続け発信していく~MIYACO~ 宮眞株式会社  

(企業紹介)

 当社は、京都府与謝郡与謝野町にて1950年(昭和25年)に設立しました。元々は、明治時代に着物の小物用生地の生産から始めましたが、一度廃業を余儀なくされた後、新たな分野となるポリエステルのちりめんを開発し、婦人服用生地として販売を開始しました。丹後地域で受け継がれる絹織物の伝統技術を活かした多様な生地を生産しており、時代の変化に合わせた進化を続けています。

●所在地 京都府与謝郡与謝野町岩滝1166 ●設立 1950年
●電 話 0772-46-2059 ●資本金 1,000万円 ●従業員数 5人
●代表者 代表取締役 宮﨑 輝彦氏
●URL http://tango-miyashin.com/

代表取締役 宮﨑 輝彦氏

代表取締役 宮﨑 輝彦氏

(丹後ちりめんで培ってきた技術を基にした自社ブランド「MIYACO」の立上げ)

 設立当初は絹100%で作られた生地を元に和装小物の製造を実施していましたが、人々の装いが和装から洋装へと時代と共に移り変わる中で、合成繊維を活用した服地の生産に着手しました。当社は、丹後地域の中でも比較的早くから合成繊維を取り扱ってきたため、ノウハウを多く蓄積していることが強みです。そして、丹後地域で受け継がれている伝統的な技法が織りなす丹後ちりめんは、シボと呼ばれる凹凸が生み出す独特な風合いが魅力です。
 国内の市場のみをターゲットにするのではなく、海外市場に展開していくため、丹後らしさ・日本らしさを、この凸凹感がある生地に程よく表現しつつ、ポリエステルの特徴である、しわを作りづらいことと、洗濯が容易である利点を最大限に活かし、生地にバリエーションを持たせています。
 自社のブランド展開においては、より多くの人に届けたいという想いから、ブランドに区分を設け、最上位としてのブランド、「MIYACO」を立ち上げました。丹後ちりめんの歴史と開発力を基盤に、これからの未来に向けて改革と進化を追求し発信するテキスタイルコレクションとしています。

MIYACOの生地の一つ

MIYACOの生地の一つ

(海外展開の課題とその対応)

 海外展示会へ参加する中で、これまで培ってきた技術をベースとし、他社には真似できない付加価値の高い生地作りに磨きをかけてきました。しかしながら、現地市場のニーズを無視した商品作りをしてしまうと、敬遠されてしまうことも分かりました。このため、ヨーロッパのラグジュアリーブランドに対しては、継続的な売り込みを行いつつ、同時に求められるニーズを的確に捉えた商品開発を心掛けてきました。長年の努力を積み重ねた結果、ヨーロッパをはじめとする海外の有名アパレルブランドとの取引を始めることができ、国内外で生地が評価されるようになりました。
 また、あるブランドから引き合いがあった際、生地に関心は持っていただいたものの、成約には至らないケースがありました。この出来事をきっかけに、自社ブランドをより多くの顧客に届けていきたいと考えるようになり、「MIYACO」を最上位のブランドと位置付けつつ、ブランドの階層化を実施しました。そうすることで、展示会出展の際には、ブースを訪れた方々に対して生地の良さ・グレードを明確かつ端的に伝えることもできるようになり、ニーズへ対応できるバリエーションが広がっています。

国際展示会における出展の様子

国際展示会における出展の様子

(今後の展開)

 ヨーロッパのラグジュアリーブランドからの要求のみならず、当社で蓄積してきた技術を基に、新しいものづくりにも展開していきたいと考えています。具体的な事業展開の一つとして、これまで和装・洋装分野で培ってきた技術を活かし、住宅建材である「シルク壁紙」を製品化することができています。現在は主に、アメリカの住宅をはじめとする施工実績が増えてきています。
 今後も丹後地域で受け継いできた伝統技術とその蓄積を強みとしつつ、既存の枠にとらわれない新しい発想でチャレンジを続けていきたいと思っています。


このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 国際部 国際事業課 地域ブランド展開支援室
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-6054
FAX番号:06-6966-6087
メールアドレス:bzl-kin-brandshitsu@meti.go.jp