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関西の訪日外国人・在住外国人向け取組み事例 (KANSAI UNIQUE EXPERIENCES)
<ジャパンフードエンターテイメント株式会社>

最終更新日:令和7年3月27日

ジャパンフードエンターテイメント株式会社

代表:宮澤 心
設立:2016年6月
スタッフ数:60名
拠点:京都市北区小山下内河原町55番地
ホームページ:ジャパンフードエンターテイメント株式会社ホームページ

食を通じた、感動体験の提供
ー「外国人観光客の喜び」を追い求めてー


めん馬鹿 外観 ファイヤーラーメン

連日、多くの人で賑わう京都・二条城。その近くに、行列のできるラーメン店「めん馬鹿」があります。

並んでいるのは、ほとんどが外国人観光客。彼らのお目当ては、甘いネギの上に熱々のネギ油をかけることで、丼から炎が立ち上がる、通称”ファイヤーラーメン”です。

今回は、そんなエンターテイメント性抜群のラーメン店「めん馬鹿」を経営している、ジャパンフードエンターテイメント株式会社の宮澤社長にお話をお伺いしました。


国内顧客メインの店が、外国人観光客向けに変わったきっかけ

ラーメン店「めん馬鹿」は、宮澤社長のお父様により1984年に創業されました。ファイヤーラーメンは当時からお店の看板メニュー。その珍しさから国内のテレビ番組でも度々紹介され知名度を獲得していました。

しかし、SNSの台頭によりコンテンツの賞味期限が短くなり、テレビ取材に頼ってきた同店は広報手段に悩むようになりました。
また、多くの日本人にとってラーメン屋は「安くて早い」というイメージである一方で、同店は目の前で丼から炎が立ち上がるという珍しさを味わうことができる反面、「少し高価で提供が遅い」という特徴がありました。「食を通じたエンターテイメントを日本人は求めていないのかもしれない」と、ファイヤーラーメンの価値を疑うこともあったと言います。

2012~2013年、日本人の学生やファミリー層などターゲットの試行錯誤を繰り返す中、当時訪日インバウンド客の多くを占めていた台湾人の来店が徐々に増え、次第にSNSで拡散されシェアされた動画を片手に来店される姿が目立ち始めます。

そんな時、宮澤社長は「台湾の人々はファイヤーラーメンの体験を高く評価してくれる」ということに気づきます。こうして、照準を外国人観光客へと合わせた同社は、外国人観光客向けの様々なサービスの提供を開始しました。

ホスピタリティに溢れた店内

「ファイヤーラーメンそのものだけでなく、外国人向けの細やかな気配りがイチオシです」と宮澤社長が語る通り、同店では外国人にとって嬉しいポイントがたくさんあります。
まず、多言語メニュー表の設置、フリーWi-Fi、クレジット支払い対応のサービスが完備されていることです。今でこそ多くのお店で導入されていますが、同店ではいち早く整備を進めていました。

これらに加えて更に特徴的なのが、多言語テロップです。

多言語テロップ

炎の演出の前に「丼を触らないでください、逃げないでください」などのインストラクションのために用意されたテロップは、なんと20言語に対応しています。(珍しい言語の場合はお客さんに作成を手伝ってもらい、準備を整えたそう。)異国の地で母国語を見ることはお客様の喜びに繋がっており、イスラエルからきたお客様にヘブライ語のテロップを見せたところ、泣いて喜ばれたこともあったと言います。

また、ビーガン対応やムスリムフレンドリーにも力を入れ、食の多様性にも対応しています。これは、ベジタリアンやムスリム、それ以外のひともワンテーブルで楽しめる食事を大切にしたいという思いがあるためです。特に、ビーガン対応のラーメン開発には5年という長い月日を要したそうで、宮澤社長の強い思いが感じられます。

ファイヤーラーメンのインパクトだけではなくこれらの細かな気配り、取り組みも評価され、同店は多くの訪日外国人客に選ばれる人気スポットになっています。

ファクトリー事業のはじまりと発展

ラーメンファクトリー

食を通じたエンターエンターテイメントの提供は、ファイヤーラーメンだけにとどまりません。
2017年には外国人観光客向けの「ラーメンファクトリー事業」がスタート。ランチとディナーの間のアイドルタイムを活用して何かできないかと考え、ラーメン作り体験の提供を始めました。

90分間で製麺、チャーシュー作り、スープ配合をし、最後に自分で作ったオリジナルラーメンを食べる体験は、子ども連れをはじめとする多くの外国人観光客から好評を得ているそうです。


サムライ餃子ファクトリー

また、2024年10月には新たな体験事業として、「サムライ餃子ファクトリー」がオープンしました。餃子を作るだけではなく、餃子に入れる具材の産地について、武将(侍)をテーマにした説明を聞くことができるというとてもユニークな施設です。

日本各地の食材や日本の歴史について学びながら、自分で選んだ具材を使用した餃子作り体験ができるほか、甲冑の試着体験ができるなど、外国人観光客にとって魅力的な体験内容になっています。

「食」×「エンターテイメント」をこれからも

コロナ禍においては、インバウンド客がほとんどいなくなったことで、「めん馬鹿」の休業、「ラーメンファクトリー」での体験の休止など、苦しい日々が続きました。しかし、そんな中でもベーカリー事業としてベーグル専門店の「KAMOGAWA BAKERY」をオープンさせるなど、同社は立ち止まることなく挑戦を続けてきました。

今後は、ファクトリー事業で培ってきたノウハウを活かし、居酒屋体験やナイトファームでのピザ作り体験など、外国人観光客向けコンテンツの組成をコンサルティングしていこうと考えているそうです。

その社名の通り、食を通じた感動を届けてきた同社。「外国人観光客の喜び」を追求してきた同社ならではの取り組みに、今後も目が離せません。



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