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関西の訪日外国人・在住外国人向け取組み事例 (KANSAI UNIQUE EXPERIENCES)
<フェレリ合同会社>

最終更新日:令和7年3月27日

フェレリ合同会社

代表:フェレリ・ジョラン
設立:2019年3月
スタッフ数:3名
拠点:奈良県吉野郡十津川村大字小川112
ホームページ:空中の村

フランスから日本の秘境・十津川村へ
移住者が運営する、大自然の遊び場「空中の村」

空中の村 イラスト

奈良県の最南端に位置する十津川村。紀伊山脈の中に位置し、東京23区の総面積よりも広く、村の面積の96%を山が占める日本で一番大きい”村”として有名です。山や木で囲まれたこの場所で、フランスから移住してきた外国人が運営するアウトドア施設があります。その施設は「空中の村」。フランスの技術による木を傷めない森林管理方法で、十津川村の木々を活用して作られたアスレチックやハンモックなどがあります。そんな子どもから大人まで遊べる施設を運営するフェレリ合同会社の代表、フェレリ・ジョランさんにお話を伺いました。

十津川村で「空中の村」を作ることになったきっかけ

ジョランさんと十津川村の出会いはまさに偶然でした。兵庫県内の大学院に進学するため日本に来日し、他の学生たちと同様、卒業するころに将来の仕事について考えていました。ジョランさんはフランスのアルプス地方で育ち、自然豊かな環境の中で育ったこともあり、漠然と林業に携わりたいという思いがありました。そういった思いを知った大学教授から十津川村で林業に携わっている人を紹介してもらい、2016年から十津川村の地域おこし協力隊として活動することになりました。ここからジョランさんの十津川村での生活がスタートします。

当初、ジョランさんは十津川村での生活をとても不便だと感じていましたが、それを上回るくらい地元住民の方にあたたかく迎え入れてもらい、助けてもらったそうです。自分を迎え入れてくれた十津川村にずっと住んで恩返しがしたい、そのために十津川村のために仕事がしたい。その思いから構想が始まったのが「空中の村」という自然の中でのアウトドアアスレチック施設でした。

施設にこめられた思いと、こだわり

空中の村はその名の通り、森の中をまるで空中に浮いているかのように過ごすことができ、非日常を体験できる施設です。生い茂った木を利用し、木々の間をロープで繋ぐ吊り橋アスレチック、吊り橋を渡った先の木の中腹あたりに設置されたピクニックエリア。そして、ブランコやハンモックがあったり、鳥かごの中で読書をゆっくりしたり、トランポリンを楽しんだりと、子どもから大人まで年齢を問わず楽しむことができる施設です。対象年齢はなんと、3歳から100歳まで!

空中ウォーク体験

「フランスでは自然の中で大人たちはよく遊んでいるのに、日本の大人たちは自然の中で遊ぶ感覚を持っていないと感じた。だから大人たちにも空中の村で遊んで欲しい。」
そういった思いもこの施設に込めているとジョランさんは言います。

そして、「空中の村」は建設方法と施設での過ごし方が特徴的です。
まず、建設するにあたって、木にやさしい技術を取り入れています。フランスの林業会社に建設を委託し、木とロープの間に当て木をするなどといった木を痛めない方法を用いてロープを固定するなどの工夫があります。
また、施設での過ごし方については、ハーネスが不要なので憩いの場として木の上でのんびりと過ごすことができ、日本の他のアクティビティ施設とは少し違った特徴を持っています。

木に優しい技術 木に優しい技術

フランスの建設会社から技術者を呼び込み、十津川村の森林資源を活用し、日本にはない技術・発想でアスレチック施設をつくることは、フランス人であるジョランさんだから可能だったのです。

コロナ禍での苦境を乗り越え、次のステップへ

空中の村がオープンした2020年4月はちょうど新型コロナウィルスの感染が拡大し始めた頃で、4月には最初の緊急事態宣言が発令されました。緊急事態宣言によって「空中の村」はオープン直後に休園を指示されて運営はいきなりつまずき、3ヶ月の休園期間ののち再スタートすることになりました。

そのような中でも、休園期間中にSNSを活用して施設のPRを積極的に行い、十津川村役場の人たち、地元の人たちも積極的にPRに協力してくれたこと、また幸いなことに新聞・テレビなどのメディアの取材があったことから、再スタート後には奈良県内や大阪府から来場してくれる人が多くあり、なんとか船出することができました。

オープンして3年が経った2023年7月からは、グランピング事業がはじまりました。十津川村の自然豊かな環境の中、木に吊り下げられた空中テントや樹上に設置されたツリーハウスで宿泊し、夜の十津川村の自然を思う存分体験できます。本当はコロナ禍でなければもっと早くにやりたかった事業だったようですが、ようやくスタートすることができたそうです。

ツリーハウス

それ以外にも今後の展望・やりたいことについて伺うと、正直に「休みが欲しい!」と少し意外な答えが返ってきました。その理由は、「空中の村」の運営以外にも、役場とインバウンド誘客など観光面でのたくさんのプロジェクトの打ち合わせを行っていたり、全国各地で「空中の村」のような施設ができないかと相談を受け、フランスの林業会社との仲介を行ったりと本業以外でもかなり忙しいご様子。それでも十津川村に恩返しするため、日本とフランスの架け橋となるべく日々奮闘されています。

自然の中で時間を忘れてのんびりと過ごすことができる、ジョランさんの情熱と思いがつまった「空中の村」。遊びたい盛りの子どもから、遊び方を忘れてしまった大人までみんな楽しめます!是非訪れてみてはいかがでしょうか。


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