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最終更新日:令和7年3月27日
代表理事:池田 佳子
設立:2020年4月
スタッフ数:9名
拠点:大阪市中央区北久宝寺町3丁目1-6 船場ミッドキューブ3階
ホームページ:一般社団法人Transcend-Learningホームページ
外国からの留学生を対象に特徴あるインターンシップを行っている一般社団法人Transcend-Learningという団体があります。
Transcend-Learningは、関西大学を中心に18大学が集まったコンソーシアム「SUCCESS」と連携して留学生への就職支援を行っています。この連携により18大学それぞれに属する多様な留学生がプログラムに参加しやすくなります。また同法人が行っているプログラムのメリットや成果などを各大学が有する発信ネットワークを活かしたPR活動などを行っており、同法人が行うプログラムの価値がどんどん高まっています。
今回、一般社団法人Transcend-Learningの理事である吉田 圭輔さんに同法人の取組についてお話をお聞きしました。
「これまでインターンシップを受け入れてもらうには、大学が受入元の企業におみやげをもってお願いしにいかなければなりませんでした。」と吉田さんは語ります。企業にとってインターンシップを受け入れることは負担である上、留学生となるとコミュニケーションのコストなどより負担が大きくなります。
「企業が負担だと感じる部分をなるべく減らし、インターンシップを受け入れる企業にもっとメリットを感じてもらえるインターンシップは実現できるのではないか。そこに留学生とSDGsをかけあわせることで社会がよりよく芽を育むことができるのではないか」と考えた吉田さんは、留学生による"課題解決型のインターンシップ"を通した留学生の就労支援に取り組みました。
同法人が行っているプログラムは大学教育の場で行われています。
このプログラムでは大学の単位は取れませんが、日本の企業で就職したい意欲のある留学生が数多く集まる貴重な機会になっています。
日本の言葉から文化、企業風土に対する理解の醸成から、キャリア教育も含めた総合的なインターンシップ支援を行っており、留学生はまず日本やビジネスにまつわる文化などをしっかり理解してもらうことからはじまります。
それらのインプットを終えると、このインターンシップでは、実際に企業が抱える経営課題を留学生と共有します。それを受けて留学生が企業に、課題解決への提案を行う実践的なものになっています。
様々な企業に協力いただきたいという想いもあり、このインターンシップに参加できる企業は規模の大きさを問わず、抱える課題や内容によって長期・短期と時間軸も多様です。
また、同法人のインターンシップでは参加者それぞれに以下のようなメリットを提供しています。
留学生
1.留学生自身が学んだビジネススキルを、座学の場だけでなく、現場における実践を通してより学びを深めることができる。
2.学外での実習経験により、通常の留学では培えなかった日本の様々な人や組織との関係性を構築できる。
3.インターンシップにて、企業の課題解決に資するアイデアを提案する経験を通じ、(留学生)自身の能力をPRすることができる。
受入企業
1.インターンシップにあたって、企業は自社が抱える経営課題の提供のみを行い、その他に特別なプログラムを作らなくても受け入れができる。
2.海外と日本の両方で生活する留学生ならではの視点や価値観で、企業が有する課題に対して、(日本人だけでは考えつかないような)解決のアイデアをもらうことができる(これが実際の課題解決につながることもある。)
社会
1.インターンシップの設計の工夫により、大企業だけでなく中小企業にとっても参加しやすいカリキュラムのため、中小企業の活躍できる幅が広がる。中小企業で実際に「働く」ことを経験することで、留学生自身のキャリアパスに「中小企業」という選択肢を広げることが可能に。
南海不動産株式会社(大阪府)は新規事業開発に模索していたところ、同法人が展開する長期インターンシッププログラム(※)に参画しました。
(※)長期インターンシッププログラム「FUTURE DESIGN PROJECT」: WEBサイト
同プログラム内で、自社の経営課題を提供しアイデアを留学生から募ったところ、留学生から「ネパールのIT人材が非常に優れていること」というアイデアと知見をもらったそうです。
そこで同社として実施すべき新規事業の方向性として「ネパールのIT人材が日本で働くことができる環境と機会を創出することで、日本とネパール双方の発展可能性に貢献しうるのではないか」という仮説をきっかけとして、ネパールのIT人材を日本の企業へ紹介する事業、南海電鉄の高度人材サービス「Japal」が始まりました。(現在は南海不動産株式会社から南海電鉄株式会社へ事業譲渡されています。)
「いかに強くしなやかな中小企業を世に増やしていくか、そのためにも中小企業に優れた人材をどう送り込めるかが今後の日本の活性化の重要なテーマ。そのひとつの可能性として留学生に期待を大きく寄せています。」と吉田さんは語ります。
今、世界では優れた外国人人材を自分の国に呼び込んで、国の発展につなげようと人材の獲得競争が起こっています。そんななか日本でも、2033年にまでに留学生の日本での就職率を今の48%から60%(※)しようという目標を打ち出しています。
(※)教育未来創造会議(内閣官房) 概要
同法人が行う取り組みが日本での留学生の就職率アップに貢献し、ずっと日本で働いてもらえる環境をつくっていく。そんな留学生の活躍を後押しする同法人の今後の取り組みに目が離せません。
近畿経済産業局 国際部 投資交流促進課
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