トップページ > 施策のご案内 > ライフサイエンス・ヘルスケア関連産業 > バイオものづくり分野 > 「関西バイオものづくりオンライン月例発表会2025(企業等版)」を開催します
最終更新日:令和7年9月4日
近年、バイオテクノロジーとデジタル技術の進展により、微生物等の生物機能を最大限に活用した「バイオものづくり」が新たに生まれ、次世代を担う産業として国内外で大きな注目を集めています。
近畿経済産業局では、バイオものづくりの社会実装の加速化を目指して、産産・産学連携を促進するべく、協業ニーズやバイオものづくりに取り組む上での課題、バイオものづくり技術・製品の活用事例を持つ企業等より技術・事例・取組内容等を紹介いただくオンライン発表会を開催します。
各回の開催日、登壇者、講演テーマは下表のとおりです。講演要旨については各回詳細をご参照ください。
No. | 開催日 | 各回テーマ | 登壇者 |
---|---|---|---|
第1回 | 2025年10月23日(木) 13:30~14:30 |
バイオものづくりの要素技術 | 株式会社シンプロジェン、大塚テクノ株式会社 |
第2回 | 2025年11月13日(木) 13:30~14:30 |
バイオものづくりと海洋由来生物新素材 | Symbiobe株式会社、株式会社ノベルジェン |
第3回 | 2025年12月11日(木) 13:30~14:30 |
バイオものづくりの要素技術 | サラヤ株式会社、東洋紡株式会社 |
第4回 | 2026年1月22日(木) 13:30~14:30 |
バイオものづくりの社会実装に向けた取り組み | 株式会社カネカ、ZACROS株式会社 |
第5回 | 2026年2月5日(木) 13:30~14:30 |
バイオものづくりと自治体・コミュニティ | 長浜市、田原本町 |
バイオものづくり分野に関心のある企業、産学連携・産産連携を希望する企業、大学、支援機関 等
Microsoft Teamsによるオンライン開催
オンライン:1,000名
近畿経済産業局
無料
登壇者:株式会社シンプロジェン
講演要旨:
当社は、神⼾大学発の合成生物学スタートアップです。バイオものづくりに取り組む様々な業種の企業や研究機関を顧客とし、独自のDNA合成技術を活用した⻑鎖・高難度のDNA合成や、多様な組合せのDNAライブラリー構築の受託サービスを展開しています。また、遺伝子治療の分野に特化した「遺伝子治療バイオファウンドリ®」として、高品質なウイルスベクター及びmRNAの設計、開発、分析から、GMP製造パートナー企業への技術移管まで、一気通貫のサービスを提供しています。本発表会では、遺伝子治療用製品の高額な製造コストを大幅に削減する独自技術の開発や、国内外の製造パートナー企業との連携など、当該製品の普及拡大に向けた取り組みについてご紹介します。
登壇者:大塚テクノ株式会社
講演要旨:
弊社は輸液バッグ用フィルムの製造で培ったノウハウを活かし、水冷多層インフレーション成形による機能性フィルムの開発に取り組んでいます。今回、バイオものづくり分野において様々な用途で使用可能なバイオリアクターを開発しました。特長は培養槽をフィルムバッグで構成、培養液の撹拌にはエアリフト方式を採用することで細胞への機械的損傷が発生しにくく、閉鎖環境で比較的安価にスケールアップが容易で、ご要望の容量やバッグ形状にカスタマイズ可能といった点が挙げられます。また、フィルムの機能性付与に関する要素技術開発にも積極的に取り組んでおり、お客様の用途・ニーズに合わせ、特に医療用途での使用に最適な製品設計を行います。
登壇者:Symbiobe株式会社
講演要旨:
工場などから排出される二酸化炭素と窒素を固定する海洋性紅色光合成細菌を海水条件下で効率的に培養し、その生成物を原料として有機質肥料、養殖用飼料、人工シルクなどを生成するバイオものづくりの技術を保有しています。温室効果ガスや有機廃液などの未利用資源を利用可能な資源へと変えて地産地消のサステナブルな食の未来、ゼロカーボンの農産品や低魚粉・低環境負荷のシーフードを社会実装していくことを目指しています。未利用資源をお持ちの事業会社、食のバリューチェーンに関わる生産者や小売の皆様と一体となった連携を求めています。
登壇者:株式会社ノベルジェン
講演要旨:
NovelGlue(FP121)は、イガイ類由来の足接着タンパク質を基盤とした海洋生物由来接着剤であり、水中(生理的食塩水)での引張力63 kPa、乾燥状態では0.2 MPaに達し、ポリスチレン、ガラス、PTFEなど多様な基材への応用が可能です。FP2領域のEGF様モチーフにより、HeLa細胞の増殖が従来比5倍超に向上し、神経細胞やK562など多様な細胞への接着・増殖効果を実証しました。常温で6ヶ月保存後も性能を維持し、細胞コート剤や組織工学への利用が期待されます。DOPA化による機能拡充、ISO10993準拠の前臨床安全性評価や特許出願も進行中です。iPS細胞コート剤や、皮膚接着剤、同意書のいらない止血剤などへの応用が可能です。
登壇者:サラヤ株式会社
講演要旨:
近年環境調和型の物質変換技術として微生物や植物を利用したバイオプロセスが注目されている。弊社は、世界に先駆け微生物発酵により得られるバイオサーファクタント(BS)の1種であるソホロリピッド(SOFORO)の大量生産法を確立し産業利用に成功した。多機能性を有するSOFOROは,日用品(洗浄剤)のみならず,化粧品や再生医療分野にも展開している。一方、消費者がバイオ由来製品を選びやすいように、BSの認知度向上や配合製品であることを明確にしていく取り組みが重要である。本会では、
SOFORO発酵や機能性に加え、「バイオものづくり」の市場拡大に向けて生じる課題について紹介する。
登壇者:東洋紡株式会社
講演要旨:
バイオサーファクタントは、「発酵技術で生産する界面活性物質」で、安全性も高い、サステナブルな素材である。低濃度でも優れた界面活性能を発揮することから、多様な用途への展開が期待されており、次世代の界面活性剤として世界的に注目を集めている。弊社では、バイオサーファクタントの1種であるマンノシルエリスリトールリピッドを化粧品原料として上市しており、今後の展望としてさらなる利用分野の拡大について紹介する。利用分野の拡大にあたっては、弊社が保有していない知見や技術が必要となり、共同研究や協業の可能性を模索したい。
登壇者:ZACROS株式会社
講演要旨:
現在、当社では細胞や微生物の培養に関する技術の研究開発や製品の活用により、培養肉やバイオポリマといったバイオものづくりの社会実装に挑戦しております。これらテーマの社会実装では、新たな技術の創出や技術開発だけではなく、新しいがゆえに既存のルールやガイドライン等がないこともあり、時には自主的に構築する必要もあります。また、市場からの評価も少なく、価値訴求の点でも工夫する必要があります。本発表では、当社の技術のご紹介とともに社会実装に向けた課題やその対策など、当社の取り組み事例についてご紹介し、協業や共創できるパートナーを探索できることを期待しております。
13:30~14:00 「長浜市におけるバイオ産業クラスターの軌跡と未来について」
登壇者:長浜市
講演要旨:
長浜市は2000年代から、長浜バイオ大学と長浜サイエンスパークを中核とし、産学官連携によるバイオ産業クラスターの形成に挑戦してきた。結果、大学発ベンチャーの創出支援や企業の進出、インキュベーション施設の整備などにより、地域発イノベーションの基盤が築かれている。
一方で、近年は地方都市ならではの課題に直面している。すなわち、若者の減少・流出を端緒とする負のスパイラルである。
地方都市におけるバイオ産業クラスターの軌跡と、課題をどう乗り越えて未来を描こうとしているのかをご紹介する。
14:00~14:30 「新産業共創 たわらもとReBORNプロジェクト」
登壇者:田原本町
講演要旨:
町民と事業者とが連携し、地域にかせぐ力を育み持続可能な経済基盤の再構築をはかるため、令和7年4月に「かせぐ地域課」を設置し、「たわらもとReBORNプロジェクト」が始動しました。「たわらもとReBORNプロジェクト」はスタートアップを集積し、地域産業との掛け算により新産業を産み出し、その過程で発生する経済効果を得ようとする事業です。田原本町には、人のつながり、既存の産業、優良な農地など素晴らしい地域資源があります。それらを最大限活かすことができる「バイオものづくり」をテーマとして産業クラスターを起こし持続可能な地域の実現を目指します。
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※活発な意見交換を行うため、各企業へのご質問・ご相談をお寄せください。
近畿経済産業局 地域経済部 バイオ・医療機器技術振興課
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メールアドレス:bzl-kin-biomail@meti.go.jp