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原点は「子どものことを第一に考えたものづくり」
~三起商行株式会社(ミキハウス)~

最終更新日:令和4年6月10日

   アパレルだけでなく、出版事業や教育、子育て・スポーツ支援など、子どもに関わるすべての分野を事業フィールドとするミキハウス(三起商行株式会社)。同社は、創業以来、安全安心やクオリティにこだわったものづくりをしており、当たり前のようにSDGsの考え方を事業活動に組み込んできました。
 今回は、サステナビリティ推進リーダーを務める平野統括部長と経営企画部の藤原副部長から、SDGs達成に貢献する同社の取組について、お話を伺いました。


◇企業情報

   企業名 : 三起商行株式会社(大阪府八尾市若林町1-76-2)
   代表者 : 木村 皓一
   創業年 : 1971年

(概要)

   子供服および子どもを取り巻くファミリー関連商品の企画・製造・販売、および出版・教育・子育て支援などの文化事業

1.インタビュー

SDGsの取組をはじめたきっかけは?

   創業以来、「子どものことを第一に考えたものづくり」という思いのもと、子どもたちを健やかで豊かに育てる製品づくりを続けてきました。デザイン、素材選び、生地づくりをはじめとしたすべての過程において、何よりもまず子どもたちの安心・安全・着心地を大切にした製品づくりを心がけています。
 そんな当社では、こだわった製品を作る上で、子どもの未来を考え、地球環境や人権への配慮も当社が提供する重要な提供価値の要素となっています。素材の調達から製品の製造・販売までサプライチェーンにおける人権、労働環境、安全衛生や環境などの課題解決にもいち早く取り組んできました。
 他方で、ここ数年SDGsの概念が広がるなか、採用活動では学生から、そして当社がテナントとして入居している小売店など外部の方々から、当社のSDGs対応について問い合わせが増えてきました。これまで企業の社会的責任として自社の取組を情報発信してきた当社でしたが、メインターゲットは株主や取引先で、お客様や就職活動中の学生に向けた発信はしていませんでした。
  そこで、全てのステークホルダーに情報を届けようと、2021年3月に「笑顔プロジェクト」と名付けた当社独自のSDGsサイトをオープンしました。また、さらにSDGsにつながる取組を推進していくために、2021年10月にはSDGs推進委員会を立ち上げました。若手を中心に、ものづくり、人事、広報など横断的な部署からメンバーを集め、現在は20名で活動しています。月に1回程度集まり、それぞれの部署が持っている課題を洗い出し、会社としてできることを話しあっています。

笑顔プロジェクト
笑顔プロジェクト

SDGsに向けて、どんな取組をされているのですか?

プレママ・プレパパセミナー
プレママ・プレパパセミナー

 ものづくりの中では、サステナブルな原料を使用した素材や副資材の採用、FSC認証紙のショッパーやパッケージの採用、製造工程での高度な排水処理技術、くりかえし使うことができる「エコパッキン」を使用した配送などの環境負荷低減活動に取り組んでいます。サプライチェーンの人権、労働環境、安全衛生の観点では、国内工場だけでなく、世界の協力工場すべてにおいて責任を持ち、実態調査や課題解決に取り組んでいます。労働者がメールやスマートフォンのアプリケーションから相談できる苦情処理システム(ホットライン)も整えています。
  他には、子どもを安心して産み育てやすい社会を作る目的で、全国各地で「プレママプレパパセミナー」を定期的に開催しています。赤ちゃんを迎えるママやパパ、家族に向けて、出産前の不安を少しでもやわらげ、これからはじまる赤ちゃんとの生活を安心してスタートできるよう、「ミキハウス子育てキャリアアドバイザー」が講師を務めるプログラムを提供しています。
  子どものためにどのような地球や未来を残していけるかという考えが当社の理念でもあり、スポーツ支援や様々な活動を通じたSDGsへの貢献を目指しています。

SDGsに取り組む中で、苦労したことは?

 当社には幅広い年代の社員がおり、入社間もない社員と、ベテラン社員で育った環境や考え方が違うように、SDGsに取り組む意味の捉え方も違っていたりします。
  昔から、事業活動の中でSDGsの概念に近い取組はしていたものの、その新しい考え方に沿って事業活動にプライオリティをつけると、すっと取り入れる社員もいれば、なかなか理解が進まない社員も出てきます。難しいところですが、社内も誰一人取り残さないという意識で、少しずつでもマインドセットを変えていく活動を続けています。
  社内の意識醸成として、カードゲームを使った研修などを行ってきました。SDGsの1つ1つの目標との関連だけではなく、利己的な考え方だけでは自社の事業や世界はいつか破綻してしまう点や、自社とは違う考え方を受け入れることで他社との提携という選択肢が生まれるなど、ゲームの中で気づきが得られます。違いを理解し、気づきを生かしたうえで、実際の事業でどうするのが良いか、どういう活動ができるかを考え、行動につなげています。

SDGsに取り組んでみて、変化したものは?

   経営企画部でいうと、担当しているアスリート支援の中で、選手たちにもSDGsの研修を行いました。自治体や学校、企業などから、SDGsに関連した取り組みや講演等の依頼を受けることも増え、世界で活躍している発信力のある選手たちが伝え手となり、地域や子どもたちにSDGsの概念や当社の取組を発信できるようにしています。SDGsは、「SDGs推進委員会」の取組にとどまらず、各部署へと広がりをみせています。
  会社としてSDGsの取組を発信しているのは、スポーツ選手に限らず、お客様と接点があるスタッフ一人ひとりが自身の言葉で考え、SDGsについて発信するようになってきています。


ミキハウススポーツクラブSDGs研修
ミキハウススポーツクラブSDGs研修

今後の方向性を教えてください

  部署横断の「SDGs推進委員会」を通じた全社的な取組に加え、ものづくりでは「サーキュラーエコノミー」、循環経済に向けた取組を進めています。
  ミキハウスができる循環に向けた取組として、裁断くずを糸に再生し新たな製品に生まれ変わらせるクラボウのアップサイクルシステム「ループラス」を利用した新たなものづくり、製品を長く大事に使ってもらうための「リペア」、使わなくなった衣料の循環を目指す「リユース」についての仕組みづくりを進めています。
  「ループラス」は、再生糸からタオルを作る試験運用をスタートしました。クオリティの担保がどこまでできるのかが心配していましたが、幸いにも裁断くずの元となった当社のオリジナル生地の質が良かったことから、再生糸でも風合いの良いタオルとなりました。現在は、まだ商品にはなっていませんが、展示会などで配布しています。
  「リペア」は、新品を売る当社でお客様もパートナーと捉え、一緒に協力して製品を使い続けていく仕組みづくりを目指しています。
 当社のサーキュラーエコノミーの取組は、まだこれからの取組であり、やり方はこれらだけにこだわらず、多様なパートナーとともに、販売後の仕組みを検討していきたいと考えています。

御社が目指すSDGs2030年はどんな姿ですか?

SDGs委員会
SDGs委員会

   たくさんの笑顔があふれる世界であってほしいとの想いで、SDGsのプロジェクトが発足しました。2030年も子どもたちやその家族に笑顔があふれる社会であってほしい。そのために、ものづくりやスポーツ支援など当社のリソースを提供していきたいと考えています。

~編集後記~
  最後にご紹介いただいたサーキュラーエコノミーの取組は印象的でした。2次流通の構築は、新品を販売する同社にとっては、短期的にはマイナスかもしれません。しかし、こだわって作り出した商品だからこそ、長く大事に使っていくという考え方を、お客様と一緒に実現していくこの取り組みは、SDGsの概念そのものだと感じました。
(2022年6月9日)

2.このページに関するお問い合わせ

近畿経済産業局 通商部 国際課
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-6031
メールアドレス:kin-kokusaiinfo@meti.go.jpメールリンク