トップページ > 施策のご案内 > 情報化推進 > 関西サイバーセキュリティ・ネットワーク > 2020年サイバーセキュリティ月間企画 > vol.3 兵庫県立大学大学院 五十部 孝典 准教授
最終更新日:令和2年2月5日
カーネギーメロン大学とのダブル・ディグリー制度の導入などをはじめ、セキュリティ分野の人材を輩出するための仕掛けづくりに取り組む兵庫県立大学大学院において、暗号解読技術や暗号の安全性評価に関する研究に従事している、五十部 孝典 准教授に、企業経営におけるサイバーセキュリティ対策の勘所を聞いた。
-サイバーセキュリティ対策を十分実施しない企業のリスクは何でしょうか。
「一番は企業イメージを損なって、機会損失を生むことです。ビッグデータをAIでいかに処理するかということに注目が集まっていますが、そのデータをどう管理するかということも非常に重要なポイントになることが見落とされがちです。経営者にとっては、AIを活用して新しいビジネスプランを作るという話は想像しやすいのかもしれません。しかし、そのデータ管理に失敗したとき、企業の信頼が失墜し、大きな損失を生むということも表裏一体で想像しなければなりません。」
-経営者は最低限どこまで技術的なことを理解する必要がありますか。
「割と深く知らないといけないと思います。というのも、会社として最低限どんな情報を集めていて、その情報のどんな特性を守らなくてはいけないか、そのためにどういう対策をとっているかということは最低限理解していないといけないと思います。例えば今の時代、個人情報がインターネットに漏れてしまうともう取り戻すことはできないですし、一度そのイメージが企業につくと完全に払拭することはできません。だからこそ経営者は、自社の状況を理解できていなければならないと思いますし、そうでなければ必要な対策も取れないのではないでしょうか。」
-先生がエンジニアだった頃、経営層とのコミュニケーションはいかがでしたか。
「僕が企業にいた頃、経営者が技術的なことを理解しようという姿勢があるときは、話していて一番楽しかったです。正確に理解していなくてもよいので、テクニカルなことを少しでも理解しようという姿勢を見せてくれると、技術者も説明しやすくなりますし、歩み寄れます。逆に、分からないから任せるというのは一番モチベーションが下がります。単に下に全部任せるというだけでは責任放棄です。経営者の方には、是非とも技術者のモチベーションが上がるようなコミュニケーションを心がけてほしいですね。」
近畿経済産業局 地域経済部 次世代産業・情報政策課
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-6008
FAX番号:06-6966-6097