トップページ > 施策のご案内 > 情報化推進 > 関西サイバーセキュリティ・ネットワーク > 2020年サイバーセキュリティ月間企画 > vol.4 和歌山大学 川橋(泉) 裕 講師
最終更新日:令和2年2月6日
和歌山大学の学内情報システムの管理運用を担い、国内で有数のセキュリティ関連イベントでもある「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」「情報危機管理コンテスト」開催の中心的役割を果たしている、和歌山大学 川橋(泉) 裕 講師に、企業経営におけるサイバーセキュリティ対策の勘所を聞いた。
-経営者に是非取り組んでほしいということはありますか。
「細かい知識は抜きにして、やはり大事なのは、自分の会社の社員に裏切られないようにすることだと思います。身も蓋もない言い方をすれば、人間ですからお金によって動いてしまうところはあります。でもだからこそ、経営者はお金以上に、社員からの信頼を得るということにできるだけ苦心してもらいたいと思っています。例えば、社内で経営者に対して多少かみついても許容される人間関係があると、そういう会社で働いていることに誇りを持ったりするということもあると思うんです。」
-そのために、経営者は技術者とどう接すればよいでしょうか。
「やはり、システムを運用していく人間の苦労話を聞いてやってほしいですね。たぶん文句しか出てこないと思いますが、ただその文句を聞くというのも経営者たるものの仕事だと思います。運用している人間から本音を引き出そうと思ったら、それを言っても大丈夫なんだと思えるような環境を作ってやらないといけない。それは人間関係としても、情報セキュリティマネジメントとしてもすごく大事なところだと思います。」
-サイバーセキュリティ対策は費用対策が見えにくいとよく言われます。
「まず、システム設計と運用設計が別物だと理解する必要があります。例えば、システム設計で100万円予算をつけてシステムを導入したとします。経営者はシステムを入れたことは知っていますが、それが現場でどんなトラブルを生むのかには興味がありません。実際、そうしたトラブルに対処するための運用設計を行い、お金を使わず手間をかけて対応したとしても、そのことを評価するフレームはないんです。ですので、システム設計費用だけをみても本当の費用対効果は分かりません。」
-確かに運用コストは経営者には見えにくいですね。
「実はうちの大学で僕がやっている仕事を外注するとどれくらい費用がかかるかというのを計算したことがあります。そしたら、年間で出てきた数字が1,500万円で、自分は格安で仕事をしていることが分かったという笑い話です。ここで言いたいのは、コストが見えない業務を外注したらいくらになるのかを見てみると、経営者としてはそれが大きなことに気付くのではないかなと思いますね。」
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