トップページ > 施策のご案内 > 情報化推進 > 関西サイバーセキュリティ・ネットワーク > 2020年サイバーセキュリティ月間企画 > vol.19 エムオーテックス株式会社 河之口 達也 代表取締役社長
最終更新日:令和2年3月2日
安全と生産性の両立を追求する「Secure Productivity」をビジョンに掲げ、本来企業がやるべきことに専念できるIT環境の実現を目指し、様々な啓発活動等を実施している、エムオーテックス株式会社 河之口 達也 代表取締役社長に、企業経営におけるサイバーセキュリティ対策の勘所を聞いた。
-中小企業はセキュリティ対策にどう取り組むべきでしょうか。
「中小企業の経営者からすれば、複雑なサイバーセキュリティ対策の導入は現実的ではありません。セキュリティ対策の原理原則まで立ち返れば、ソフトウェアはアップデートしようとか、ID・パスワードは他人に悪用されないようにしようとか、そうしたシンプルな話に行き着きます。ただ世の中には、複雑な対策をしないと大変なことになるとあおる人達もたくさんいますので、現実的に何をすればよいか分からず、難しく考えてしまいがちです。しかしまずは、基本的なことをシンプルに考えて、できるだけ前で止めることを意識するところから取り組むことが大切だと思います。」
-経営者層がセキュリティ担当部署を適切に評価するにはどうすればよいでしょうか。
「どんな会社でも日々様々なインシデント(事故)に近いことが起こっていますが、その事実が経営者に全く伝えられていないので、経営者からすると普段何も起こっていないと思っているのだと思います。ある会社の事例でなるほどと思ったのが、会社としてトップを含めた意識を変える取組として、そういうヒヤリハット#1情報をものすごいスピードで共有している会社があります。そういう会社は、危機感の中で無事に済んでいるという認識が普段から醸成されており、日々対策を行っている情報システム部門の評価にもつながっています。」
-一般社員や事業部門からはセキュリティ対策は面倒だと思われがちです。
「米国の企業経営者との話でもよく出るのは、実は事業を知っている人がセキュリティの知識を持つことが大事ということです。ある事業についてセキュリティ対策をしなければならないということを、会社の中で発言力を持って説得できるという意味では、その役割は技術者にあるのではなく、むしろ事業部門のトップの役割だと言えます。サイバーセキュリティ対策はいまや会社経営上必須ですし、昔とは時代も変わりましたので、事業部門のトップにもセキュリティの役目があるということが社会的な認識になると、少しずつ会社全体での理解も深まっていくのではないかと思います。」
#1 ヒヤリハットとは、一般的には、事故には至らなかったが、ヒヤリとしハッとした問題のことです。
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