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Anjet Research Lab株式会社

最終更新日:令和7年4月7日

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会社概要

Anjet Research Lab株式会社 ロゴ

親会社所在地:台湾
設立:2019年
所在地:京都市西京区御陵大原1-39京大桂ベンチャープラザ南館 2203号室
事業内容:半導体デバイスの設計・開発
ホームページAnjet Research Lab株式会社

インタビュー

Anjet Research Lab株式会社は、2019年に京都で設立された、次世代のパワー半導体デバイスの設計・開発を手がけるスタートアップです。電気自動車や再生可能エネルギーシステム(太陽光発電や風力発電)、さらにはデータセンターなど、我が国のエネルギー需要の高まりを背景に誕生しました。

同社は、台湾の先進的なものづくり技術と、日本の高い設計技術を融合させることで、効率的な電力変換や熱管理といった業界のニーズに応える高性能なパワー半導体デバイスを開発しています。

進出経緯や関西の魅力について、同社の神澤顧問にお話を伺いました。

関西への進出経緯と京都の魅力 - 半導体産業と知の集積 -

会社紹介冊子

現在、パワー半導体の需要が急速に高まっており、今後30年にわたってこの需要が伸び続けると我々は予測しています。

特に、台湾は半導体の製造において世界的に際立ったプレゼンスを誇っていますが、一方で日本にはパワー半導体の設計技術やシミュレーションにおいて一日の長があります。この両国の強みを組み合わせ、ウエハー材料企業やモジュールメーカーらと連携した水平分業方式での事業展開を目指して、京都にある半導体メーカーでの同僚だったJason Hsiao(同社副社長)と、Jimmy Wu(同社代表取締役)とともに設立したのがAnjet Research Lab株式会社です。

京都には世界的なシェアを持つ製造装置メーカーも多く、半導体産業の大きな集積があります。
加えて、大学や研究機関の集積もあり、京都大学だけでなく、化合物半導体(SiC, GaN etc.) の研究が進んでいる奈良先端科学技術大学院大学、大阪大学や立命館大学などにもアクセスは容易です。そのため、モジュール、デバイスから基本物性まで、知も人材も豊富な地域です。
当社のように大学と連携し、アカデミアの最先端の研究成果を取り入れた製品開発をする研究開発型の企業にとっては環境が整っていますし、以前に京都の半導体メーカーで働いていた同僚同士で起業したということもあり、必然的に日本における研究拠点は京都に設立することになりました。

また、京都では半導体だけでなく、バイオ研究も盛んで、多くの大学や研究機関で研究が進んでいます。そういった「知の集積」は、京都という地域の「地の利」だと思います。

進出時に活用した公的サポート

京大桂ベンチャープラザ 南館外観
京大桂ベンチャープラザ 南館外観

JETRO京都(※):開業手続サポート(銀行口座開設、登記手続、物件紹介等)
(※)サポート詳細については、JETROのサイトをご確認ください。
中小機構:インキュベーション施設への入居支援
京都市:賃料補助

開業手続には明るくなかったため、JETRO京都に全面的にサポートしてもらい、銀行口座の開設や登記手続もスムーズに進めることができました。中小機構からは、インキュベーション施設への入居支援を受けることができました。当社が入居している「京大桂ベンチャープラザ」は、京都大学桂キャンパスに隣接しているので、産学連携のもとで研究開発する上で、大きなメリットとなっています。さらに、京都市からも賃料補助を受けています。

こういった様々なサポートを活用することで、初期のコストを抑えながら、事業の立ち上げに集中することができました。

今後について

当社は、開発段階を経て、今後は製品として量産する段階に入ります。そのために現在の倍の技術者を雇用していきたいと考えています。

日本には多くの優れた設計技術者が存在しますが、近年、彼らが他国に流出する傾向にあります。当社では、優秀なエンジニアを全国から京都に集め、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた質の高いパワー半導体デバイスを創り出すことで、次世代のエネルギーソリューションを提供していきたいと思っています。

これから進出を考えている企業へのメッセージ

社員の方々の様子

当社は、早い段階でJETROの香港事務所に相談をしたのが良かったと思っています。そこからJETRO京都、中小機構や京都府市にも繋がったことで、連携先の紹介や人材確保に関するアドバイスなど、設立後も継続してサポートしてもらっています。進出する際には、まずは支援機関を頼ることをお勧めします。

京都では自治体としても半導体産業支援に力を入れています。現在、京都府市が連携して世界の半導体産業における京都の存在感を高めるべく、半導体の素材研究から半導体デザイン、生産、実装まで一貫した半導体エコシステムを構築する「京都半導体バレー構想」を計画中です。これは、半導体分野での産学官連携の強化や、高度な知識や技術を持つグローバル人材の誘致などに協力して取り組むものです。

京都では、このように産学官をあげて半導体産業を盛り上げる機運が高まっていると感じています。半導体業界の経歴がある人にはとてもよい環境ですし、半導体企業が進出するにも、ここ京都の地がベストだと思っています。

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 国際部 投資交流促進課
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-6033
FAX番号:06-6966-6087
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