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消費者相談事例

最終更新日:令和3年6月17日

大量の商品在庫が手元に残っているが連鎖販売取引を解約したい

相談内容

2ケ月ほど前、同窓会で久しぶりに会った友人から「とても良い健康食品がある。その健康商品を購入し、会員になって人に紹介すればマージンがもらえ、絶対に儲かる。」と誘われて1箱1万円の健康食品50箱、50万円分を購入し、支払いは36回のクレジット払いとした。

一週間後に商品が届いたので、さっそく、友人や知人への勧誘を始めたが、思うようにいかず、まだ一箱も売れていない。この先、このまま取引を続けていく自信がないので解約したいと思っているが、50箱の健康食品がそのまま手元に残るうえに、クレジットの支払いも残ってしまうので、どうしようか悩んでいる

回答

連鎖販売取引は、物品の販売(又は役務の提供等)の事業で、販売の目的物たる物品の再販売、受託販売若しくは販売のあっせん(又は役務の提供若しくはあっせん)をする者を、特定利益が得られると誘引し、特定負担を伴う取引をするものと規定しています。(特定商取引法第33条)

本件の契約は、健康食品の販売であって、健康食品の再販売する者をバックマージン(=特定利益)が得られると誘引し、健康食品代(50万円)の特定負担を伴う取引であることから、連鎖販売取引に該当すると考えられます。

連鎖販売取引では20日間のクーリング・オフ期間が認められていますが、クーリング・オフ期間経過後であっても、契約期間内であれば、連鎖販売加入者は将来に向かっていつでも中途解約することができます。また、当該契約締結後、一年を経過していない連鎖販売加入者は、一定の条件のもと、商品販売契約の解除も可能であり、商品を返還した場合は、購入価格の90%相当額の返金を受けることができます。(特定商取引法第40条の2)

 <一定の条件>
  (1) 当該商品の引渡しを受けた日から90日以内であること。
  (2) 当該商品を再販売していないこと。
  (3) 当該商品を使用、又はその全部若しくは一部を消費していないこと。
  (4) 当該商品の全部又は一部を滅失し、又は毀損していないこと。

本件の場合、当該連鎖販売契約を締結した日から1年以内であって、当該健康商品の引渡しを受けた日から90日以内であり、商品は全部未使用で手元にあることから、中途解約に伴う商品の返品は可能であり、90%相当額の返金を受けることができると考えられます。中途解約する旨を連鎖販売事業者に書面にて申し出られてはいかがでしょうか。

また、当該連鎖販売契約を中途解約した場合であっても、クレジット契約は自動的に解約とはなりませんので、クレジット契約を結んでいる信販会社に対して、連鎖販売会社との契約を中途解約した旨を申し出てください。

一般的には、中途解約の精算金をもって早期完済の手続きを行うと考えられますが、既払い金と精算金のそれぞれの額によっては、追加費用が発生する場合もありますので、詳細は信販会社にご確認ください。

コメント

連鎖販売取引においては、組織、契約内容が複雑なこと、勧誘にあたり巧みな言葉で必ず利益があると信じ込まされてしまうことにより、取引に不慣れな個人が契約内容を理解しないまま契約し、大量の商品を抱えてしまうといったトラブルが多くみられます。このことから、特定商取引法の改正(平成16年11月11日付施行)において、返品ルールを導入し、連鎖販売取引を前提として商品を購入した場合に、クーリング・オフ期間を経過していても、一定の期間、一定の条件のもとにその購入に係る契約を解除して商品を返品し、適正な額の返金を受けることができることとしたものです。

契約の際には、簡単に儲かるなどの甘い勧誘の言葉を鵜呑みにせず、取引の仕組みやリスクを十分に理解し、少しでも疑問な点があれば事業者に確認するなどの慎重な検討が必要です。

参考サイト

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 消費経済課 消費者相談室 
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-6028(年末年始、祝日を除く月~金 9:30~16:00)

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