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最終更新日:令和3年6月17日
相談者は事業者から電話で「不要になった和服はないか。」と勧誘を受け、事業者が相談者宅を訪問した。相談者が和服を見せたところ、事業者が「他に貴金属はないか。」と聞いてきたので、金の指輪を2点見せた。
最終的に和服20枚と金の指輪2個を計2万6千円で売却する契約を行い、その日に和服20枚と金の指輪2個を事業者に引渡し、事業者から代金2万6千円を受け取った。事業者から書面は交付されており、その書面にはクーリング・オフの記載もあった。
思っていたよりも安く買われたような感じがしたが、わざわざ自宅に来てくれたので、契約をしないのも悪いかと思ってその時は納得していたのだが、後からよくよく考えてみると、やっぱり指輪を取り戻したいと思った。指輪を取り戻すことは可能だろうか。
特定商取引法では物品の購入を業として営む者が営業所等以外の場所で行う物品の購入を訪問購入として規制しています。(特定商取引法第58条の4)
訪問購入では、契約書面又は申込書面を受領した日から8日間は契約の解除を行うことができる、いわゆるクーリング・オフ制度があります。(特定商取引法第58条の14)
本件の場合、自宅で売買契約が締結されていますので、訪問購入に該当すると考えられます。したがって、書面を受け取ってから8日以内であれば書面でクーリング・オフをすることができます。
クーリング・オフの効果として、事業者は買い取った物品を、消費者は受けとった代金を、それぞれ返還しなければなりません。
特定商取引法では訪問購入について規制を行っていますが、規制の対象とならない物品がありますので、注意が必要です。
訪問購入では契約の申込み又は締結後一定期間内は申込者等が無条件で申込みの撤回又は契約の解除を行う、いわゆるクーリング・オフ制度がありますが、訪問購入特有の事情として、消費者が物品を購入業者に引き渡してしまうと、クーリング・オフをしても、第三者への転売等により売却した物品そのものが戻らないおそれがあります。そのため、消費者は、クーリング・オフができる期間内は購入業者に物品の引渡しを拒むことができます。(特定商取引法第58条の15)
特定商取引法では、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対して、営業所等以外の場合において勧誘することを禁止しています。(特定商取引法第58条の6)
また、ある特定の物品について消費者から勧誘の要請を受けて訪問をする場合であっても、訪問した際に「いらない指輪もあれば、売ってくれないか。」等とその他の物品について勧誘をすること又は勧誘の意思の有無を確認することは禁止されています。
本件のように、事業者が相談者宅を訪問した際に、「他に貴金属はないか。」と勧誘した行為は特定商取引法で禁止されている不招請勧誘に該当する可能性があります。
ただし、「営業所等以外の場所において」勧誘することを禁止する規定ですので、例えば、電話での勧誘行為や、ダイレクトメールを送付する等の行為は妨げられるものではありません。電話での勧誘の場合、契約をする意思がないのであれば、きっぱりと断るようにしましょう。
近畿経済産業局 産業部 消費経済課 消費者相談室
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