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報告レポート(2)令和6年度商店街・まちづくりのブランディングを考える実践型ワークショップ事業

最終更新日:令和7年3月13日

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令和6年度、近畿経済産業局は、エリア価値の向上に取り組む商店街を増やすため、地域特性に応じた商店街のブランディング手法(気づき、マインド、実際に活動する組織体制のあり方など)を、モデル的に整理し、近畿エリアの商店街に横展開をすることを目的とした、「商店街・まちづくりのブランディングを考える実践型ワークショップ事業」を実施しました。
第2回レポートは、「ブランディングワークショップ」で4つの商店街が考えた商店街のありたい姿とそれを実現するためのアクションプランを発表した「成果発表会」について、開催報告をお届けします。

成果発表会概要

成果発表会は、「商店街×ブランディング」と「商店街×知財」の2つのパートで実施しました。
「商店街×ブランディング」では、ワークショップに参加した4つの商店街が考えた商店街の「ありたい姿」や商店街の軸となる「ブランド」と、具体的な取組内容である「アクションプラン」を発表しました。また、商店街が「ブランド」を考える際の気づき・もやもやを、ワークショップの講師と振り返りを行うトークセッションを行いました。
「商店街×知財」では、弁理士と知財の支援機関(INPIT)から商店街のブランドを考える上で知っておきたい知財に関する知識や知財を活用した支援事例などが紹介されました。

日時

令和7年2月3日(月)14:00~17:30 (18:00まで名刺交換会を実施)

場所

グラングリーン大阪 JAMBASE カンファレンス CONFERENCE 6-2

参加人数

85名(商店街関係者、自治体、大学、支援機関など)

成果発表会のポイント

成果発表会では、4つの商店街がワークショップに参加して感じた、まち・商店街の「ブランド」を考える際の2つのポイントを、「気づき」のポイントとしてお伝えしました。

まち・商店街の「普段の当たり前」が、実はまち・商店街の強みや魅力!

ワークショップでは、各商店街それぞれの商店街を見学し、意見交換をする中で「商店街メンバーが当たり前と思っていることは、客観的にみると実は魅力で溢れている」ことに気づきました。まち・商店街の強みや魅力について、各商店街からの発表とトークセッションで気づきを提供しました。

買い物だけじゃない!~商店街とまちの人との関わり方~

ワークショップでは、まちに携わる様々なメンバーが意見を出し合い、新しい関係性を築くことで、これまでに無かった意見や考えが生まれました。また、商店街は「買い物」だけではなく、まちの人達が集い、交流できる可能性溢れる場所であることにも気づきました。
商店街とまちの人の関わり方、商店街の価値について、トークセッションで気づきを提供しました。

「商店街×ブランディング」パート

「商店街×ブランディング」パートでは、ワークショップで、4つの商店街が考えた成果の発表と4つ商店街と講師によるトークセッションを行いました。

成果発表

地下鉄あびこ中央商店街

■テーマ:「頼りにされる商店街」
■登壇者:笠井 満 氏
地下鉄あびこ中央商店街は、地下鉄あびこ駅からすぐに位置し、「あびんこ」の愛称で地域住民に親しまれている商店街です。地域住民との距離の近さを強みと捉え、地域に密着した商店街だからこそできることに着目して、おせっかいなアクションを進めていき、地域住民に「頼りにされる商店街」を目指します。

地下鉄あびこ中央商店街の成果発表の様子1 地下鉄あびこ中央商店街の成果発表の様子2

ありがとう神戸プロジェクト実行委員会(仮)

■テーマ:「商店街の連携によるエリアの魅力向上にむけて ~コウベカードでエリア創造~」
■登壇者:高井 学 氏・小原 拓万 氏
元町・三宮エリアは、神戸市を代表する商業エリアであり、50以上の商店街等の団体が存在します。近年は様々な理由により来街者が減少し、空き店舗は増加していますが、魅力的な個店や個性的な店主はまだまだ多く残っています。そんな魅力ある個店等を起点としたエリア回遊ツールとして、個店や店主を紹介するトレーディングカード「コウベカード」を作成しました。コウベカードを活用して、「エリア連携×まちの魅力の再創造」を目指します。

ありがとう神戸プロジェクト実行委員会(仮)の成果発表の様子1 ありがとう神戸プロジェクト実行委員会(仮)の成果発表の様子2

道明寺天神通り商店街

■テーマ:「歴史ロマンに誘う参道商店街 道明寺ルネサンス ~商店街の再生・復活への道~」
■登壇者:篠田 朋宏 氏
道明寺天神通り商店街は、道明寺天満宮のお膝元に位置し、付近には大坂夏の陣道明寺合戦跡地がある、歴史的資源の豊富な商店街です。2013年にまちづくり協議会を設立し、歴史イベントを開催するなど、機運が高まりましたが、コロナ禍で活動が停滞。大阪夏の陣道明寺合戦410周年を迎える2025年に向けて、再び盛り上がりを見せており、歴史的資源を活かした体験型ツアーなどを実施し、歴史ロマンに誘う参道商店街の復活を目指します。

道明寺天神通り商店街の成果発表の様子1 道明寺天神通り商店街の成果発表の様子2

泉大津中央商店街

■テーマ:「人がつむぐ商店街」
■登壇者:西山 昌子 氏
泉大津中央商店街は、南海泉大津駅から徒歩約5分の場所にあり、61年の歴史を持つ商店街です。最盛期は多くの店舗が営業していましたが、火事や高齢化などの影響で、空き店舗が増え、人通りも少なくなっています。商店街を元気にしたい有志メンバーで組織する「やったろ会」のメンバーが中心となり、繊維産業のまちである泉大津の歴史的背景を踏まえて、歴史と先人の想いを引継ぎ、人とのつながりを活かした取組を行い、「人でつむぐ商店街」を目指します。

泉大津中央商店街の成果発表の様子1 泉大津中央商店街の成果発表の様子2

トークセッション

■テーマ:商店街だからこそできるブランド化!
■司会:
 株式会社地域環境計画研究所 代表取締役 若狭 健作 氏
 mottif lab 代表 坂本 友里恵 氏
■登壇者:
 地下鉄あびこ中央商店街振興組合 笠井 満 氏
 ありがとう神戸プロジェクト実行委員会(仮) 小原 拓万 氏
 道明寺天神通り商店街 篠田 朋宏 氏
 泉大津中央商店街振興組合 西川 哲央 氏

トークセッションでは、「商店街だからこそできるブランド化!」と題して、「私の商店街のポテンシャル~改めて気づいた自分達の強み~」と「買い物以外の価値提供って?~消費+α・協創時代の商店街」の二つのテーマについて、4つの商店街メンバーとワークショップで講師を務めた若狭さんと坂本さんによるトークが行われました。
フリップを用いて、各商店街からテーマに沿ったキーワードを提示してもらいつつ、若狭さんと坂本さんが軽快なやりとりで各商店街から、ワークショップ時での気づきやもやもやを引き出し、会場からは笑い声が起きる和やかな雰囲気でトークが進みました。
また、若狭さん、坂本さんからは、それぞれ尼崎市杭瀬エリアと神戸市灘中央市場で、自身が取り組まれている内容を紹介いただきました。若狭さん、坂本さんはともに、もともと商店街、市場にゆかりはなく、「外の人」として関わり始めたそうで、「商店街には『外の人』が関われる『関わりしろ』がたくさんある。」や「買い物の場所だけじゃなく、地域のコミュニティとしての可能性も秘めている」などの話があり、メモを取る参加者が多く見られました。

トークセッションの様子1 トークセッションの様子2

トークセッションの様子3 トークセッションの様子4

「商店街×知財」パート

「商店街×知財」のパートでは、ワークショップで講師を務めていただいた、弁理士の齊藤整さん、独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)の佐藤浩昭さんから、商店街のブランドを考える上で知っておきたい知的財産権に関する知識や支援事例などについて、講演と事例紹介が行われました。

講演

■テーマ:「知っておきたい商店街の知的財産権」
■登壇者:弁理士法人ととせ・ももとせ 代表 弁理士 齊藤 整 氏
弁理士の齊藤さんからは、知的財産権の概要、商店街がキャッチコピーやマスコットキャラクターなどを活用する際の留意点、ブランドと知的財産との関係等について、実際に商店街で起こった事例をもとに、分かりやすく解説をいただきました。

講演の様子1 講演の様子2

事例紹介

■テーマ:「商店街支援事例紹介と支援施策について」
■登壇者:独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)参事・知財活用支援センター 地域支援部 企画調整役 佐藤 浩昭 氏
知財の総合支援機関であるINPITの佐藤さんからは、地域のストーリーをブランド化するなど、商店街を盛り上げるために実施してきた知的財産活用事例について説明をいただきました。また、各都道府県に設置されている、気軽に知的財産のことを相談できる相談窓口についての紹介がありました。

事例紹介の様子1 事例紹介の様子2

成果発表会・本事業を終えて

成果発表会は、商店街関係者、自治体、支援機関などから商店街・まちづくりに携わる約90名の方に参加をいただきました。参加者からは、「これまでは、商店街の課題について商店街会員で話し合いをしていたが、色々なメンバーを巻き込み、一緒に悩んで意見を言い合うことが大切だと気づいた」、「革新的な取組ではなかったが、逆に商店街の実態や実情を反映しており、身近で参考になった」、「商店街のことを考える際、知財のことを気にしたことがなかった」などの感想をいただきました。
成果発表会終了後は、参加者同士での名刺交換会を実施しましたが、意見交換で話が絶えない様子でした。まち・商店街を元気にしたい、よくしたいという想いを持つ方がたくさんいらっしゃることが分かり、熱意を持った人が集まる「商店街」の可能性を改めて感じることができました。
本事業では約4ヶ月間、4つの商店街が自らのまち・商店街について見つめ直し、商店街の「ブランド」について考えました。ここでの出会いや学びをきっかけとして、新たなまちづくりへの取組や挑戦が生まれれば大変嬉しく思います。
本事業にご協力いただきました講師の皆様、ブランディングを一緒に検討いただきました4つの商店街の皆様、事業の事務局として活躍いただいた株式会社地域計画建築研究所の皆様には、心より感謝申し上げます。
近畿経済産業局では、今後も商店街活性化・まちづくりに取り組む地域を支援してまいります。

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 流通・サービス産業課
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