トップページ > 施策のご案内 > 商業・流通・物流 > 商業振興 > イベントレポート「Kansai商店街・まちづくりネットワーク」~まちづくりの持続性を目指した収益事業・収益源~
最終更新日:令和8年2月5日
近年、社会環境や消費者の購買行動の変化に伴って、エッセンシャルサービスの供給不足が全国的な問題となってきています。そのような中、中心市街地や商店街には、地方都市に必要な機能が集約され、商品・サービスの売買の場にとどまらず、地域の雇用を支えるとともに、コミュニティ拠点としての活躍が期待されています。
経済産業省では、そのような「地域の顔」としての役割を果たす、中心市街地や商店街の「個性」と「多様性」を伸ばし、地域のエリア価値を高める取組や持続的な成長への支援に取り組んでいます。
この度、近畿経済産業局は、独立行政法人中小企業基盤整備機構と共催で、まちづくり・商店街活性化に興味がある方に向けて、「まちづくりにおける収益事業・収益源」をテーマとしたイベントである、「Kansai商店街・まちづくりネットワーク~まちづくりの持続性を目指した収益事業・収益源~」を令和7年12月4日(木)に大阪市内で開催しました。
イベントでは、「まちづくりにおける収益事業・収益源」をテーマとし、関連するキーワードとして、「公民連携」、「インバウンド」、「創業・チャレンジショップ」を設定しました。
参加者の皆さまが、自地域での取組の参考やアクションを起こす際のきっかけとなるよう、3つのキーワードに関係した先進的な事例を3名から紹介いただきました。
地域交流会の様子をご紹介します。
本イベントは、約50名の商店街活性化やまちづくりに興味をお持ちの方々にご参加いただき、令和7年12月4日(木)にグラングリーン大阪で開催しました。
日時:令和7年12月4日(木) 15時00分~17時30分
場所:グラングリーン大阪 CONFERENCE 6-2
事例紹介者:株式会社オガール代表取締役 岡崎正信 氏
千日前道具屋筋商店街振興組合理事 城谷淳史 氏
奈良もちいどのセンター街協同組合理事長 魚谷和良 氏

岩手県紫波町の紫波中央駅前でオガールプロジェクトを実施。行政と民間が適切な役割分担と情報交換を行いながら、「公民連携手法」による公共施設整備や経済開発を推進し、人口3万人弱の自治体にありながら、年間100万人が訪れるまちづくりをされました。
オガールプロジェクトでは、人が集まり続ける「普遍的な集客装置」をつくることを目的に、公共施設(町役場・図書館など)と民間サービス(店舗・ホテルなど)の集約を実施。また、他地域との差別化を図るために、「尖った事業」に取り組まれ、「ピンホールマーケティング」の考えを取り入れた、日本初のバレーボール専用アリーナである「オガールアリーナ」を建設し、バレーボール全日本代表チームやカナダ代表チーム、ドイツ代表チームが合宿を行うなど、全世界から注目される施設になっています。
さらに、オガールプロジェクトではランドスケープも重視しており、人と環境に優しい統一感のある景観で住みよいまちを目指すとともに、紫波町が目指す循環型のまちづくり理念を具現化して、多くの木質材料の活用やエコ住宅の建設にも取り組まれています。

千日前道具屋筋商店街は、業務調理具や厨房機器、看板、食品サンプルと言った食に関する専門店街として、多くの訪日外国人観光客(インバウンド)で賑わっています。インバウンドへの対応として、以下の取組を先進的に実施されています。
・商店街組合員で英会話やIT活用をテーマとした勉強会を開催し、インバウンド対応力の向上を図っている。
・外国語対応の公式ホームページを開設するとともに、来街者の利便性向上を目的として商店街内に無料Wi-Fi環境を整備している。
・日本語での挨拶や包丁・食器などへの名入れやラッピングサービスを通じて、日本文化ならではの“おもてなし”を体験として提供している。
・食品サンプル作り体験、グラスアート体験など、訪日外国人が参加できる体験型・参加型サービスを展開している。
・WeChat Payなど訪日外国人が日常的に利用するキャッシュレス決済を導入し、入店前から安心して利用できる環境づくりを進めている。
上記の取組に加え、千日前道具屋筋商店街でのオリジナルブランドの「絆具(ツナグ)」を開発し、千日前道具屋筋商店街としての歴史や文化を発信する取組も行われています。

商店街の近隣にあった奈良市役所の移転に伴い、まちの賑わいが減少。その対応として組合で商店街内パチンコ屋の跡地を買収し、若手起業家向けのインキュベーション施設である「もちいどの夢CUBE」を開設されました。「夢CUBE」を卒業後に商店街内で出店する仕組みを設けて、現在までに約60名が商店街を含む近隣エリアに定着し、空き店舗の解消と商店街等の若返りに貢献しています。
さらに、賃貸業の質向上や商店街の魅力維持・向上を目的とした商店街店舗オーナーの組織である「オーナー会」と、商店街の活性化や運営に関する意見交換・協力を目的とした店舗運営者(テナント)による「テナント会」を設立。両者が連携することで、商店街全体の魅力や資産価値を高める取り組みを進めています。

今回のイベントでは、3名の事例紹介者から、地域特性も手法も異なる「まちづくりにおける収益事業・収益源」に関するお話をいただきました。それぞれの事例紹介中には、感嘆の声が聞こえ、参加者は自身の地域で活動される際の参考となる情報を、得ていただけたのではないかと思います。
それぞれの事例紹介では、共通して「覚悟・本気度・決断」といったことの重要性を感じました。特に岡崎さんのお話の中で、「無難では誰も傷つかないが、何も動かない。未来をつくるには、正確な逆算と腹括った意思決定が必要。」という言葉が印象深く残りました。
『「みんなのために」となると、誰もが不利益を被らない「無難」な発想になりがちで、これを打破しないと、未来が変わらない。自分の一歩踏み出す勇気が未来を変える。』そんな前向きな思いになれたとともに、大きな示唆をいただいたように思います。
最後になりましたが、本イベントにご登壇いただきました岡崎様、城谷様、魚谷様、共催者である独立行政法人中小企業基盤整備機構(中心市街地活性化協議会支援センター)の皆様に心より感謝申し上げます。
近畿経済産業局では、引き続き、このようなイベントを開催する予定で、様々な地域の商店街・まちづくりに関わる皆さんの学びと交流の場をつくってまいります。
近畿経済産業局 産業部 流通・サービス産業課
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