トップページ > 施策のご案内 > 環境・リサイクル > リサイクル関連制度 > 家電リサイクル法普及啓発事業 > 循環型社会の形成を目指して『家電リサイクルプラント見学会』を開催しました!
最終更新日:令和6年10月28日
資源循環型社会の形成に向けた大きな取組の一つとして、平成13年4月に特定家庭用機器再商品化法(以下「家電リサイクル法」という。)が施行され、私たちが主に日常使用する家電4品目のリサイクルが進められています。
当課では、家電リサイクル法の概要とリサイクルの現状を広く理解していただくため、毎年、3R(リデュース・リユース・リサイクル)推進月間である10月に合わせて小売業者・消費者を対象に「家電リサイクルプラント見学会」を開催しております。今年度は10月4日(金)に奈良県電器商業組合、家電メーカー、近畿地方環境事務所の協力のもと、関西リサイクルシステムズ株式会社本社工場にて見学会を開催しましたので、その様子をご紹介します。
1.家電リサイクル法とリサイクルの現状
2.再商品化施設(リサイクルプラント)見学
3.参加者の感想
4.見学可能なプラント紹介(近畿地域)
5.家電リサイクルプラント見学会のご案内
6.関連情報
家電リサイクル法は、使用済の家電(エアコン、テレビ(ブラウン管式、液晶・有機EL・プラズマ式)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣服乾燥機)から、有用な部品や材料を再資源化し、廃棄物の減量、資源の有効利用を図ることで、生活環境の保全と国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。
この法津では、使用済み家電の収集・運搬や再商品化を実施するため、排出者(消費者)、小売業者、製造業者(輸入業者を含む)それぞれの役割が定められています。
排出者(消費者・事業者)=費用を支払う人
リサイクルにかかる料金を支払い適切な業者に使用済家電を引き渡す責任があります。
小売業者=収集・運搬をする人
自らが過去に販売したものや買換時に引き取った使用済家電を指定引き取り場所にて製造業者へ引き渡します。
製造業者=リサイクルをする人
対象製品を引き取ってリサイクルします。
今回の見学会では、排出者、小売業者を通じて運搬された使用済家電の再商品化にむけた処理を行う家電リサイクルプラントを見学しました。
(出典:家電リサイクル法[担当官向けガイドブック2021] 経済産業省)
家電4品目のリサイクルは制度の改善を随時行い、令和4年度における引取台数は廃家電4品目合計で約1,495万台、また全ての品目において法定基準を上回る再商品化率が達成されるなど、これまでに着実な成果を挙げています。しかしながら、排出者(消費者・事業者)や小売業者(家電販売業者)の認知度・理解度は未だ十分ではなく、無許可の不用品回収業者に不法に回収されている実態があります。
これらの業者に回収された家電の一部は有価部分だけを取り出され、その他の部分は不法投棄や不適正処分されることで、国内の環境問題を引き起こしているだけでなく、海外へも輸出され、現地における深刻な環境問題の一因となっています。
【不法投棄】
無許可の廃棄物回収業者によって
回収された廃家電や粗大ごみが、
不法投棄された事例が報告されています。
(出典:経済産業省HP)
【不適切処理】
環境対策を行わずに廃家電を破壊する
ことで、フロンガスや鉛などの有害物質が
環境中に放出されます。
(出典:経済産業省HP)
【不適切な管理】
廃家電は電池やプラスチックを含む場合もあるため、
発火・延焼の危険性があり、不適正な管理による
火災が発生しています。
(出典:経済産業省HP)
使用済み家電の引取り、引渡し等重要な役割を担っている小売業者(家電販売業者)に家電リサイクル制度や3R政策への理解を深めていただくため、奈良県下の街の電気屋さんの集まりである「奈良県電器商業組合」様と消費者団体の「なら消費者ねっと」様、「奈良ストップ温暖化の会」様と共にリサイクルの現場である関西リサイクルシステムズ株式会社本社工場を見学しました。
関西リサイクルシステムズ株式会社
一般的なリサイクルでは、回収した製品の再資源化、再製品化を行った際、生まれ変わる製品は品質グレードを下げた別の製品になりますが、関西リサイクルシステムズが取り組むリサイクルでは、品質を維持する高度リサイクルを行っています。そのためにはより細かく素材毎に選別する必要があり、まずは前工程として人の手による手解体を行い、その後、破砕機で細かく砕いて鉄・非鉄・プラスチックなどに選別する後工程に移る2つの工程を実施しています。これらの工程により、高度なリサイクルを行うことが可能になります。
そうして再生されたプラスチックは新しく発売される洗濯機の部品に採用されるなど、「家電から家電へ」自己循環型リサイクルが拡大されています。現在の洗濯機に使われている水槽の多くは、リサイクルによる生まれ変わりであり、水槽のリサイクルは現在4巡目に入りました。
リサイクルプラントでは、各家電メーカーの多様な機種を効率良く処理し、質のよいリサイクルを行うため、まずはできる限り手解体を行い主要な部品を回収します。冷蔵庫は一台ずつ庫内の棚を手で引き抜くなどして分解していきます。手作業の他に、難作業の自動化、搬送の自動化等の作業環境に配慮した取り組みも行っています。
見学会では、自動化されたラインの見学や洗濯機解体のデモンストレーションを行っていただきました。
手作業でできるところまで解体した後は、巨大な刃物のついた破砕機に入れて破砕します。大きな冷蔵庫も、あっという間に粉々になっていきます
粉々になった廃家電は、何種類かの材料が混ざっている状態のため、素材の比重、磁石や静電気をうまく利用して、鉄、銅、その他の金属、プラスチックなどに選別されて資源として再利用されます。
そうして再資源化された素材が再度、家電製品等に生まれ変わります。
(見学会の様子1)
(見学会の様子2)
今回の見学会では43名の方にご参加いただき、参加者の皆様から大変有意義だったとの感想を多数いただきました。
また、見学前には約4割の方が「高い」と感じていたリサイクル料金について、見学会後には「適正」「安い」と回答した方が97%にもなりました。参加者からは、リサイクルの重要性を実感した感想が多数寄せられました。その参加者からの感想をいくつか抜粋してご紹介します。
参加者の感想
当局としても、こうした家電リサイクルの普及啓発事業を引き続き行いたいと考えております。
今回見学した関西リサイクルシステム株式会社本社工場以外にも、全国には見学可能なリサイクルプラントがあります。そうした施設の情報が一般財団法人家電製品協会のHPにまとめられております。近畿地域では、4施設が見学可能です。
ご興味ある方は一般財団法人家電製品協会のサイトにてご確認ください。
(見学会の様子3)
(見学会の様子4)
近畿経済産業局では、毎年10月頃、リサイクルの現場である「家電リサイクルプラント」の見学会を実施しています。消費者、小売業者の皆様に参加いただけます。
ご関心のある方は、環境・資源循環経済課(bzl-kin-kankyo@meti.go.jp)までご連絡ください。
掲載関連情報
団体名:奈良県電器商業組合
所在地:奈良県天理市二階堂上ノ庄町355番地の1
電話番号:0743-64-0831
企業名:関西リサイクルシステムズ株式会社
所在地:大阪府枚方市春日北町2丁目28番1号
電話番号:072-808-9888
関連施策へのリンク
詳細は経済産業省のサイトにてご確認ください。
近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・資源循環経済課
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-60018
メールアドレス:bzl-kin-kankyo@meti.go.jp