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最終更新日:令和3年6月17日
休日に大規模温泉施設に行った際、施設の一角にマッサージ機が5台置かれていた。そこには「マッサージ機 無料」と表示されていたため、相談者は施設の無料サービスだと思い使用していると、見知らぬ男性が声をかけてきた。
その男性は使用しているマッサージ機の販売員で、機器のカタログを持ってきて説明を始めた。 「これは、商品の使い心地を試してもらうためのサービスです。」、「今日一日だけの営業なので、お客さんは運がいい。」などと執拗に勧誘された。
設置場所は人目に付く場所にあり、相談者は大勢の利用者に販売員とのやりとりを見られるばつの悪さを感じ、契約書にサインしてしまったが、後日よく考えると、店舗でもない場所で、値段も表示されていない機器を無理やり買わされたという思いから、クーリング・オフを主張したいと考えている。
特定商取引法では、販売業者等が営業所等以外の場所で、商品の販売等について申込みを受け、若しくは契約を締結して販売を行う行為を「訪問販売」と定義しています。(特定商取引法第2条)
店舗でもない場所で販売の勧誘を受けた場合、その場所が同法の営業所等以外の場所であるかどうかを検討する必要があります。
「営業所等」とは、営業所、代理店の他に、「一定の期間にわたり、商品を陳列し、当該商品を販売する場所であって、店舗に類するもの」等が該当します。このうち、「一定の期間」については、通常最低2,3日以上の開催日があるものや、1日の営業を1週間ごとに継続反復して行っているもの等が、場合によっては該当すると考えられますが、「今日一日だけ」と言われているのであれば、「一定の期間」に該当しないと考えられます。
このため、本事例は営業所等以外での販売として、同法の訪問販売に適用されるクーリング・オフを主張できる可能性が高いと思われます。(特定商取引法第9条)
「訪問販売」という言葉だけで考えると、自宅に販売員が勧誘に来る販売形態をイメージしがちですが、特定商取引法では、今回の相談事例のように、営業所や店舗に類する場所以外での販売行為を訪問販売としています。
これ以外にも、いわゆるキャッチセールスのように、路上で目的を告げずに勧誘し最終的に営業所で商品の購入を迫る例や、アポイントメントセールスのように、特別に有利な条件で勧誘し営業所まで呼び出して商品の購入を迫る例も、訪問販売の類型に含まれます。 訪問販売に該当した場合、販売業者等には契約内容やクーリング・オフに関する事項等を記載した書面を申込み時又は販売時に交付する義務が発生するとともに、購入者はその書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフすることができます。
このように、消費者に対する法的な保護が講じられているところですが、最近ではインターネットやスマートフォンといった媒体の普及等で販売形態も複雑化しています。そのような中で契約に関するトラブルを防ぐためには、まず契約する前にその必要性を十分に検討し、不要ならばそれをはっきりと示すことが大切です。
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