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最終更新日:令和6年3月22日
2023年にゼロカーボンシティを宣言し、市民・事業者と一体となって脱炭素に向けた取組の推進を目指す兵庫県 伊丹市。「地域循環共生圏」の考えを踏まえた都市間連携によるソーシャルクレジットの取組など、幅広い視野で先進的な取組を進めています。2023年には、新たに株式会社
みなと銀行と連携体制を構築して取組を開始しました。今回、連携に至ったきっかけや、地域金融機関に期待していることなどについて、同市の総合政策部 グリーン戦略室
主幹に伺いました。
-みなと銀行と連携体制が築かれたきっかけと具体的な取組についてお聞かせください。
当市の場合、市民向けの脱炭素の取組は、広報紙やSNSの発信等を活用して上手く進めることができている一方、事業者向けについては、あまり訴求できる媒体が無く、なかなか進んでいないことが課題でした。そこで2022年に環境省近畿地方環境事務所に相談したところ、事務所と脱炭素・ローカルSDGsの実現に向けた連携協定を締結していたみなと銀行を紹介していただいたことが連携のきっかけです。
まずは、協働で寄付型融資商品「伊丹市とあゆむ(脱炭素版)」を企画し取り扱いました。融資商品の収益の一部を当市の脱炭素事業に活用するということを目的に寄付していただくもので、2023年度は当市にゆかりのある地域の事業者28社に利用していただき、総融資額10億円のうち0.1%の100万円を寄付していただいたところです。
次に、当市が主催する事業者向け脱炭素GXセミナーにおいて、みなと銀行を始め複数の事業者に登壇していただきました。当市として初の試みでしたが、実施後のアンケートでは、ほぼ全員から前向きな回答がありました。これは、脱炭素の取組の必要性や支援策を、事業者の身近な存在である自治体や、日頃付き合いのある金融機関から直接お伝えできたことが功を奏したものと考えています。
-地域金融機関に期待していることは何ですか。
脱炭素に向けては脱炭素型のビジネススタイルへの行動変容が必要だと思っており、ここに金融機関と連携して取組を進めていきたいと考えています。特に中小事業者は、人材確保や価格競争など厳しい状況にあります。日頃から事業者と深い繋がりがある金融機関には、脱炭素に取り組むことが競争力強化と課題解決に繋がり、選ばれる事業者になるということを浸透させてほしいです。そして、それが結果的に市の産業振興にも寄与することを期待しています。
また、地域の製品を、環境価値を付与したゼロカーボン商品として売り出すことも模索しています。当市としても、環境価値を重視し将来を見据えた商品の企画や企業ブランディングの支援をしていきたいと考えていますが、自治体職員が本業にまで入り込むことは容易ではありません。そこで、一緒に本業の支援に取り組んでくれる金融機関がいれば、面白いことができるのではと思っています。
-地域金融機関と連携を進めたい自治体へのアドバイスをお願いします。
地域の金融機関と自治体が連携して事業者にアプローチするということが重要で、この二者が揃って伝えるということ自体が、説得性や訴求効果を高めることに繋がるのではと思っています。例えば、電力の共同購入事業において、自治体単独で事業者に説明しても響かなかったところ、金融機関と共同で説明すると事業への跳ね返りが全然違いました。
また、今回のみなと銀行との連携については、地域貢献に資する部署の方と直接繋がれたというのが大きかったのではと思います。金融機関でも様々な業務があるなかで、どうしても部署によって脱炭素への温度感というのは違うと思いますので、直接同じ温度感で話を聞いてくれる担当部署の方と話をすることが重要です。
あとは、お互いに同じ熱量でないと物事は進んでいかないと思うので、もちろん自治体側も高い熱量を持つことは必要です。金融機関も脱炭素の取組の必要性を強く感じておられるので、自治体からの相談を親身になって聞いてくれますし、課題解決に向けて両輪で進めていけると思います。
近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 カーボンニュートラル推進室
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