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[取材記事]地域の中小企業を支える信用金庫のGX支援 ~関西の3信金の事例をご紹介~

最終更新日:令和7年3月21日

<目次>
・背景
・プッシュ型で取り組む信用金庫のGX支援
・今後について

背景

信用金庫を含む金融機関は、資金面でのサポートのみならず、地域の中小企業等の事業成長をサポートするという重要な役割を担っています。また、中小企業とのつながりが深く、経営者からの信頼も厚いという点から、中小企業のGX支援の担い手として、国や地方自治体からも大いに期待されています。関西の信用金庫でも、地域に根ざした金融機関として、中小企業等の事業を持続的に発展させるためのさまざまな支援を実施しています。今回は、そのなかでも積極的にGX支援に取り組む機関の事例をご紹介します。

プッシュ型で取り組む信用金庫のGX支援

【地域で連携した伴走支援を実施(京都信用金庫、枚方信用金庫)】

令和5年9月、近畿経済産業局は、門真市・守口市・守口門真商工会議所が連携して運営する守口・門真エリアの金融機関ネットワークの場を活用して、若手営業担当者がGXについて学び、取引先企業により効果的な取組提案を行う手法を考えるためのネットワーキングイベントを行いました。

ネットワーク概要

こうした取組を通じて、営業担当者のGX支援のための人材育成を図ることはとても重要ですが、一方で、実際には、GXというテーマは、人材採用や販路開拓といった他の経営課題に比べて取組の優先順位が低く、待っているだけでは取引先からの相談は少ないというのが実情です。
そこで、ネットワークに参画している京都信用金庫門真支店・枚方信用金庫門真東支店は、近畿経済産業局および門真市と連携し、それぞれの取引先企業(計3社)に対してGXの取組提案を行い、実践につなげることを目的とした伴走支援を試行的に実施しました。

伴走支援イメージ図

GXと一口に言っても、省エネ等のコスト削減に繋がる取組や、CO2排出削減に貢献する商品・サービス開発等のビジネスチャンスに繋げるための取組等、様々な切り口があります。普段から取引先企業と密にコミュニケーションを取っている金融機関の営業担当者や市役所職員と共同で企業に訪問することで、よりその企業の実情に合った提案が可能となるなど、支援機関同士のお互いの強みを活かした連携ができました。

これらの提案が、訪問先の企業にGXへの関心を持ってもらうきっかけとなり、うち1社では、金融機関の担当者とともに「攻めのGX講座」(当局主催)へ参加し、GX市場でのビジネス展開について検討を深めています。また、他の2社についても、門真市の省エネ支援施策の活用を計画しており、今後、具体的なGXの取組実施に繋がっていく機会となりました。

また、今回の伴走支援の取組を通じて、金融機関の担当者にもGX支援に関する提案のノウハウを学んでもらうことができました。今後は、他の取引先企業へも提案を広げることで、地域でのGX支援が更に広がっていくことを期待しています。

攻めのGX講座
(枚方信用金庫門真東支店 山嵜氏・岩崎電装様)

【組織内外のハブとなり、企業ニーズに寄り添う(大阪シティ信用金庫)】

大阪シティ信用金庫 では、取引先企業への各種本業支援として、「SDGs・GX・脱炭素経営」のサポートを行っており、取組フェーズにあわせたメニューを提供しています。

本業支援の取り組み

脱炭素化支援体制

しかしながら、同金庫で実施したアンケートにおいては、「すでに脱炭素化に取り組んでいる」という企業は6.8%にとどまり、脱炭素化に取り組みたいという相談も少ない状況です。このことから、企業に対してプッシュ型の支援を行う余地が大きいと考えられます。

その1つの方法として、取引先企業から別分野での相談があった際に、脱炭素の要素を取り込んで対応するという支援を実践しています。
具体的には、金融機関には補助金に関する相談が多く寄せられますが、設備導入に活用できる補助金の相談を受けた際に、脱炭素分野で活用できる関連施策(省エネ補助金等)や、それに関係する支援策、取組等を結び付けて提案するというものです。
その他にも、攻めのGX講座 に取引先企業と一緒に参加したことをきっかけに、SBT認定取得に向けた手続の一部をサポートしたという事例もあり、企業ニーズに合わせたきめ細やかな提案・フォローアップが、企業のGXに向けた行動の実践に繋がってきています。

支援事例 支援事例

攻めのGX講座
(大阪シティ信用金庫 姫野氏、精巧社様)

また、金庫内での連携も進んでおり、本部が営業担当に対して、日々の会話で使える脱炭素分野の話題提供や、施策の提案方法のレクチャーを行うほか、本部と営業担当が一緒に企業訪問し、相談対応を行うといった、現場目線かつ組織一体となった取組が進められています。

今回取材させていただいた、大阪シティ信用金庫 企業支援部 姫野氏は、企業との距離の近さと、様々な機関との繋がりをうまく活かすことで、企業がGXに取り組む際の支援のハブ機能を担っています。

地域・外部機関との連携体制

今後について

地域の支援機関等と連携した伴走支援や、企業ニーズに寄り添うきめ細やかな相談対応など、GX支援の取り組み方は多様ですが、それぞれの強み・特徴を活かし、GX支援に取り組む機関や担当者が増えることで、地域の中小企業のGX推進につながると考えています。

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 カーボンニュートラル推進室
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-6055
メール:bzl-kin-smaene@meti.go.jp