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消費者相談事例

最終更新日:令和3年6月17日

茶道教室に利用している自宅のリフォームについてクーリング・オフを拒否された

相談内容

ある日、友人が住居を新築したということで、招待を受けた。友人宅の造りはとてもすばらしく、中でも和室の佇まいが特にすばらしいと感じた。私は自宅で茶道教室を開いており、友人とも茶道を共通の趣味にしているため、新築祝いの席で和室の話をいろいろと聞かせてもらった。

その後、自宅にリフォーム会社の営業社員が訪ねてきた。この会社は友人宅の内装を手がけており、友人からの紹介で訪ねてきたようだった。以前から畳や内装が古くなり、教室の生徒から指摘されたこともあったため、良い機会と思い和室の内装工事を150万円で契約した。

しかし、工事を依頼した3日後に、不慮の事故で入院することになり、当面茶道教室を開くことができなくなってしまった。そのため、再開の目処が立った時に改めて内装工事を依頼したいと考え、夫に契約解除と工事の中止を頼んだところ、リフォーム業者から「この契約は、茶道教室のリフォームと聞いている。営業目的の契約については、クーリング・オフはできない。」と言われた。

確かに、全国展開している茶道教室と業務契約を結び、指導の月謝から所得を得ていること、教室に使っている離れも指導以外での使用はしていないことはあるが、あくまでも自宅の一部であり、訪問での自宅リフォームの契約はクーリング・オフできる、と知り合いから聞いていたので、驚いている。

この契約は、クーリング・オフできないのだろうか。

回答

特定商取引法第26条では、訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に関する同法の適用が除外される場合について規定しています。

このうち、同条第1項第1号で、「売買契約又は役務提供契約で、その申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供」については、クーリング・オフ等の適用を受けないことが規定されています。

この規定は、本法が一般消費者を保護するための法律であるので、営業のために結んだ契約には適用しないことを示しています。

ご相談の件については、全国展開している茶道教室の一つとして、事業を行っているのであれば、その事業の用に供する和室の内装工事も、営業のために締結する契約として、同法の適用除外として、クーリング・オフを主張できない可能性も考えられます。

クーリング・オフが認められない場合でも、事業者と合意の上で契約解除を図ることが考えられますので、事情をご説明いただき、契約解除に向けて交渉されることをお勧めします。

コメント

「クーリング・オフ」制度は、特定商取引法の7つの取引形態のうち、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引、訪問購入の6つで規定されています(通信販売には、クーリング・オフ制度は規定されていません)。

特定商取引法に基づくクーリング・オフについては、一定期間が経過してしまうと主張できない、という点は広く知られていますが、その他にも主張できない条件が存在します。(こちらの相談事例もご確認ください)

その条件とは、例えば、法律の対象となる商品やサービスではないこと、法令でクーリング・オフができないと定められている商品(乗用自動車)であること、店舗購入など法律で定める6つの取引の定義に当てはまらないこと等が挙げられます。

さらに、各取引形態において同法の適用除外規定が設けられており、その例として今回紹介した営業目的取引や、来訪要請といったものがあります。

消費者保護に対する関心がこれまでになく高まっている昨今、快適な消費生活のために提供される様々な情報の収集、整理を行っていただくとともに、クーリング・オフ等の消費者保護制度も正しくご理解いただくことをお勧めします。

参考サイト

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 消費経済課 消費者相談室 
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
電話番号:06-6966-6028(年末年始、祝日を除く月~金 9:30~16:00)

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